今回は、オンプレミスデータベース管理システム(DBMS)に関するよくある誤解を解消しよう。
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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
オンプレミスデータベース管理システム(DBMS)の販売は健闘している。最近公開した4つの記事で次のことを論じてきたが、今回は、オンプレミスDBMSに関するよくある誤解を解消しよう。
2021年にオンプレミスDBMSの売上高は22億ドル増加した。これは、2011〜2016年における全体的な年間市場成長率と同程度だ。
DBMS全体の売上高成長率を見ると、2010年代初めは1桁台半ばで、それまでも長年そうだった。だが、2016年から2017年にかけてクラウドがけん引力となり、DBMS全体の売上高成長率を2桁に押し上げ、ここ数年の著しい成長の端緒を開いた。
オンプレミスDBMSは売上高の安定成長が続いてきたが、転換期を迎えようとしているのかもしれない。一部のベンダーの売上高が減少し始めているからだ。2021年のオンプレミスDBMSの売り上げ成長について見ると、その半分はMicrosoftの売り上げによるものであり、4分の1はOracle、残りの4分の1は20数社のベンダーの売り上げ分だった。20数社のうち一部のベンダーはオンプレミスDBMSの売上高を5000万ドル以上伸ばした。その中にはHUAWEI、Teradata、Rocket、InterSystems、MongoDBが含まれる。これらのベンダーのほとんどは、クラウドDBMSの売上高も大きく伸びており、特にMicrosoftがそうだ。他のベンダーもようやく追い付きつつある。
だが、2021年に主要なDBMSベンダーの一部は、オンプレミスDBMSの売上高が減少した。こうしたベンダーの内訳はCloudera、IBM、Broadcom、Software AG、Actian、HPE、MarkLogic、Micro Focusだ。これらのベンダーはいずれも、クラウドDBMSの売上高のトップ10に入っていないという点でも、警戒すべき状況だ。クラウドDBMSを軌道に乗せなければ、市場で相手にされなくなる。オンプレミスDBMSの売上高が減っていき、クラウドDBMSの売上高の伸びが市場平均を下回っていれば前途は険しい。
全体的に、2021年におけるオンプレミスDBMSの売り上げ増加額の大部分は、リレーショナルDBMSの売り上げ増加額が占めている。MicrosoftとOracleの製品が、この増加額のうちの大きな割合を占めており、Microsoftはオンプレミスの非リレーショナル製品を持っていない。非リレーショナルDBMS専業ベンダーの実績はまちまちだ。MongoDBとDataStaxのオンプレミス非リレーショナルDBMSの売り上げ増加額は、合計で1億ドル近くに達した。一方、Cloudera、HPE、MarkLogicの売り上げ減少額は、合計で6500万ドル以上となった。
出典:DBMS Market Transformation 2021: On-Premises DBMS Revenue Grows(Gartner Blog Network)
VP Analyst
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