ITRは、国内ローコード/ノーコード開発市場について規模の推移と予測を発表した。2021年度の売上金額は、対2020年度比18.6%増の611億6000万円とみており、「2026年度は2021年度の約2倍に拡大する」と予測している。
アイ・ティ・アール(ITR)は2023年2月14日、国内ローコード/ノーコード開発市場について規模の推移と予測を発表した。2021年度の売上金額は、対2020年度比18.6%増の611億6000万円。2021〜2026年度の年間平均成長率(CAGR)は16.8%とみており、ITRは「2026年度は2021年度の2倍超に当たる1330億に拡大する」と予測している。
DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改革の推進に向けて、業務アプリケーションを迅速に開発するツールとして、ローコード/ノーコード開発プラットフォームが注目を集めている。2021年度のローコード/ノーコード開発市場は、8割以上のベンダーが10%以上の伸びを示している。
さまざまなシステムでクラウド化が進んでいることもあり、クラウドと親和性の高いサービスとして提供されるローコード/ノーコード開発プラットフォームの需要が特に高いという。またパッケージ製品については、基幹システム周辺のアプリケーション開発で需要が大きいとITRは分析している。
ITRの甲元宏明氏(プリンシパル・アナリスト)は、「これまでは、レガシーな基幹系システムの一部(ユーザー画面だけ、情報系システムなどの領域だけ)に、ローコード/ノーコード開発プラットフォームを適用することが多かった。現在は基幹系システムそのもののモダナイゼーションやDXアプリケーションの新規構築に適用する企業が増えている。企業はシステム開発に際して、対症療法的にソリューションを選択するのではなく、自社の選定指針やルールを定めた上で、経営層やビジネス部門が期待するスピード感を損なわないことが重要だ」と指摘している。
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