AWS、機械学習でサプライチェーン管理を支援する「AWS Supply Chain」の一般提供を開始既存基幹システムの移行や再実装は不要で利用できる

AWSは、サプライチェーン全体を迅速に可視化し、機械学習モデルによる洞察に基づいた意思決定ができる「AWS Supply Chain」の一般提供を開始した。

» 2023年05月02日 08時00分 公開
[@IT]

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 Amazon Web Services(AWS)は2023年4月3日(米国時間)、既存の基幹業務システム(ERP)やサプライチェーン管理(SCM)システムに接続し、機械学習(ML)を活用して、データの統合、リスクの可視化を支援する「AWS Supply Chain」の一般提供を開始した。

 AWSによると、AWS Supply Chainを利用することで、サプライチェーン全体を迅速に可視化でき、より多くの情報に基づいた意思決定ができる。過剰在庫や在庫切れリスクの軽減、過剰在庫コストの削減を支援するという。既存のERPやSCMシステムをクラウドに移行したり、再実装したりせず、利用を開始できる。

 「ネットワークマップに用意されているタイムラインのスライダーを使うと、時間を早送りして、在庫が時間とともにどのように変化するかを確認できる。これにより、現在のリスクだけでなく、将来のリスクを予測するのにも役立つ」

ネットワークマップの画面(提供:AWS) ネットワークマップの画面(提供:AWS)

AWS Supply Chainが提供する機能は?

 AWS Supply Chainには、コラボレーション機能があり、洞察に基づく意思決定とコミュニケーションを管理できる。これにより、サプライチェーン上で発生している問題や解決に向けた議論を関係する全ての人が明確に把握できる。

 AWSは、コラボレーション機能以外に以下の5つの特徴を挙げている。

  • サプライチェーン用に事前にトレーニングされたMLモデルを使用し、異なるソースからのデータを理解、抽出、変換して統一されたデータモデルに変換する。「SAP S4/HANA」など既存のEPRシステムやサプライチェーン管理システムなどさまざまなデータソースからデータを取り込める
  • マイクロフロントエンドアーキテクチャで構築された視覚化されたユーザーインタフェースとマップを使用し、各拠点における現在の在庫、数量、健全性の情報を提供する。在庫管理者は特定の施設にドリルダウンして各拠点の在庫、輸送中の在庫、潜在的にリスクのある在庫を確認できる
  • 過剰在庫や在庫切れといった潜在的なサプライチェーンリスクに対して、実用的な洞察が自動生成されマップ上で視覚化される。より正確なリードタイム予測を生成するためにAmazon.comと同じMLモデルを採用している
  • リスクが検出された場合に採るべき推奨事項を在庫管理者と設計者に提供する。それぞれの推奨事項は、リスク解消の割合、施設間の距離、サステナビリティーへの影響に基づいてスコア化されている
  • 需要計画における手作業や推測を排除するために、MLモデルが過去の販売データやリアルタイムのデータを分析する

 AWS Supply Chainは、米国東部(バージニア州)、米国西部(オレゴン州)、欧州(フランクフルト)で利用できる。

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