用語「AI効果」について説明。「最新のAI」として話題になった技術が、一般社会に受け入れられて普通に使われるようなるにつれて、「AI」とは呼ばれなくなる現象を指す。
AI効果(AI effect)とは、「最新のAI(人工知能)」として話題になった技術が、一般社会に受け入れられて普通に使われるようなるにつれて、「AI」とは呼ばれなくなる現象のことである。つまりAIが実用で成功すると、「AI」とは呼ばれなくなる、というパラドックスが存在するということだ。
例えば、かつての第1次AIブームの時代(1950〜1970年代)、探索木アルゴリズムによって迷路を解く技術は「AI」と呼ばれていた。また第2次AIブームの時代(1980〜1990年代)、医療など特定分野の知識を蓄積しておき質問に答えるエキスパートシステムは「AI」と呼ばれていた。しかし今では、これらを「AI」と呼ぶ人は少ないだろう。
その理由は、これらの技術が「AI」でイメージされるものへの期待(=理想)に達していないと、多くの人に気付かれるからだと考えられる。つまり次第に「この技術はまだ本物の“知能”には達していない」と評価されるようになるということである。
筆者の意見としては、最終的に真に「AI」と評価されるのは、人間と互角以上の“知能”と“感情”を持ったドラえもんのような汎用(はんよう)型AI(AGI)だけではないかと思われる。現在話題のChatGPTなどのチャットAIも、一般に広く普及して普通に使われる技術になるにつれて、「AI」と呼ばれなくなっていく可能性があるだろう。
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