帝国データバンクは、生成AIの活用状況などに関する調査の結果を発表した。それによると、生成AIの業務利用に前向きな企業の割合は61.1%。ただし、そのうちの37.8%は「活用するつもりだが、具体的な使い方は想定できていない」と回答した。
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帝国データバンクは2023年6月20日、生成AIの活用状況などに関する調査の結果を発表した。
それによると61.1%が「生成AIの活用、検討に前向き」と回答。内訳としては、「業務で活用している」が9.1%で、「業務での活用を検討している」が52.0%となっている。また、「今後も活用するつもりはない」が17.7%、「業務での利用が認められていない」は5.6%だった。
個別の意見では、「業務とのつながりがイメージできない」「使用したいが、使い方がよく分からない。詳しい社員もいないのでしばらくは静観するしかない」といった声があり、帝国データバンクは「業務で生成AIの活用を前向きに検討していきたいと考える一方で、現時点では自社の業務での具体的な使い方やイメージが湧かない状況にあることが分かった」と分析している。
企業規模別に見ると、業務で活用している企業の割合は、大企業で13.1%、中小企業で8.5%、小規模企業では7.7%となっており、企業規模が大きくなるほど活用の度合いが高くなっていた。また、利用に関する社内ルールの有無については聞くと、「社内ルールがある」という企業の割合は、大企業で3.4%だったものの、中小企業は0.9%、小規模企業は0.4%しかなかった。
活用したことがある、または活用したい生成AIでは、ChatGPTなどの「文章、コード生成AI(総合型)」が93.1%(複数回答、以下同)で最も高かった。次いで、「画像生成AI」が14.3%、「音声、音楽、動画生成AI」が7.4%だった。
なお、業務での活用を検討している企業からは「試しに利用しているレベルだが、文書作成やアイデア出しのたたき台としては使えそうな感触を得ている」「エンジニアをはじめとする社員の能力が低下するのではないかという懸念がある」といった声が聞かれた。検討していないという企業からは「結論を導く一助にはなるだろうが、生成AIで得た情報が正確なものなのか、公序良俗に反してはいないかなど、信頼できるレベルにはない」といった意見が挙がった。
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