OpenTF Foundation、「Terraform」のフォーク「OpenTF」のα版をOSSとして公開Linux Foundationへの参加や安定版の公開を目指す

OpenTF Foundationは2023年9月5日、「Terraform」のフォーク「OpenTF」のα版をオープンソースソフトウェアとしてGitHubリポジトリに公開した。Linux Foundationへの参加や安定版の公開を目指すという。

» 2023年09月11日 11時40分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 OpenTF Foundationは2023年9月5日(以下、日時は全て米国時間)、「Terraform」のフォーク「OpenTF」をオープンソースソフトウェア(OSS)としてGitHubリポジトリに公開した。

 TerraformはHashiCorpが提供しているInfrastructure as Code(IaC)ツール。8月10日にTerraformをはじめとした同社製品のライセンスを「Mozilla Public License v2.0」(以下、MPL)から「Business Source License v1.1」(以下、BSL)に移行すると発表していた。BSLは定義上オープンソースソフトウェアライセンスではない。このため、「オープンソース版」あるいは「OSS版」と呼ばれていたものは「コミュニティー版」と名称が変わった(参照)。

 OpenTF Foundationはこれを受けて、8月15日にOpenTFマニフェストをリリース。HashiCorpにオープンソースライセンスに戻すよう求めていたが、応答がなかったので、8月25日にTerraformのプライベートフォークを作成し、1〜2週間以内に公開すると発表していた。

 OpenTF Foundationは、その目標について「真のオープンソース、コミュニティー主導、そして公平なプロジェクトを作成すること」とし、そのために今後はOpenTFをオープンで開発していく。OpenTFリポジトリが公開され、OpenTF Foundationが取り組んでいることを全て見ることができるようになったことによって、プロジェクトへの参加を求めている。

現状

 OpenTFの最初のリリースバージョンは「1.6.0-alpha」で、MPLライセンスがまだ残っていた段階で最新のTerraformのコミットからフォークされている。OpenTFのライセンスはMPLを維持している形だ。

 数週間で130社以上の企業と680人以上の個人がOpenTFマニフェストへの支持を表明し、OpenTFマニフェストのリポジトリには3万3000個以上のスターが付けられた。比較すると、Terraformリポジトリは3万8000個のスターに達するまでに10年近くかかったという。

 OpenTF FoundationはOpenTFが公平なコミュニティー主導の財団の一員となることを望んでおり、Linux Foundationに参加するための全ての書類を提出した。

 また、コミュニティーで議論したり、フィードバックを提供したり、質問したりする方法を提供するために、OpenTFコミュニティーのSlackを作成した。運営委員会のメンバーを選出したり、貢献ガイドラインを定義したり、CI/CDとテストを機能させたりするために、コラボレーション用にOpenTFリポジトリを準備し、全ての名前をOpenTFに変更した。

 今後、公式のRFC(Request for Comments)プロセスを通じて、公式のOpenTFレジストリを開発する予定で、OpenTFリリースを作成するプロセスを導入している。

 現在、OpenTFはローカルテストと開発をサポートしている。コードのビルド、テストの実行、バイナリのビルドなどが可能だ。OpenTFの実験を開始し、「GitHub Issues」やプルリクエスト、RFCを通じてコミュニティーに貢献できるようになっている。

今後

 OpenTFの安定版のリリースを最初の目標に、ロードマップを公開している。より詳細で最新の情報については、OpenTFリポジトリのマイルストーンとIsuueを参照できる。

 安定版は、Terraformの代替品として実稼働環境で使えること、つまりTerraformが動作する全てのプロバイダーおよびモジュールで動作することを目的としているので、十分なテストとコミュニティーからのフィードバックをへた後にのみ、リリースする予定だ。

 OpenTF Foundationは「安定版リリースまでの間、OpenTFリポジトリで進捗(しんちょく)状況を確認したり、貢献ガイドラインに従ってプロジェクトに貢献したり、OpenTFコミュニティーのSlackでフィードバックを送ったりすることができる」としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。