複数の開発チームがコードに取り組むと、統合とデプロイメントが複雑になる。こうした複雑さを摩擦なく取り除くのにはアジャイルリリーストレイン(ART)が役立つツールになる可能性がある。本稿ではこのARTについて解説する。
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品質の高いプロダクトを期日通りにリリースするのを支援する目的で、アジャイルリリーストレイン(ART)を取り入れているソフトウェアチームがある。ARTを取り入れるのは追加の手順になるため、取り組む価値があるかどうかは必ずしも明確ではない。
ARTは、Scaled Agile Framework(SAFe)内で包括的なプロセスを担当する1つのチームで、複数の開発チームにまたがって行われる作業を円滑に進めることを目的とする。ARTは、統合されるコードや依存関係のあるコードを各チームが変更および破損するのを防ぐ目的で設計されている。ARTを正しく取り入れれば、全てのコードを1つの機能するプロダクトとして提供できるようになる。
実質的には、ARTとは多数の開発チームを管理する一つの手法だ。開発に参加するチームの数が増えるほど、1つのチームがコードベースに対して行った変更が欠陥や不整合を生み出す可能性が高くなる。生み出された欠陥はプロダクトのデプロイメント時には解決されなければならない。それを怠れば、膨大な量の技術負債が蓄積される。
ARTが機能すれば、コラボレーションとプロセスの透明性に基づく統制のとれた開発アプローチがもたらされる。ARTを取り込むことにより、デプロイメント全体を通じてプロジェクトを順調に進め、ビジネス目標に歩調を合わせることができるようになる。
本稿では、ARTの原則、チーム内での役割、ARTチームが他のチームメンバーや開発プロセスに与える影響について確認する。
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