ノークリサーチは、ハイブリッドクラウドの活用状況に関する調査結果を発表した。ハイブリッドクラウドの課題として「(オンプレミスとクラウドの)データ連携」「使い分け」「通信品質」などが挙がった。
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ノークリサーチは2024年3月18日、「中堅中小企業におけるハイブリッドクラウドの適用状況と解決すべき課題」を発表した。これは中堅中小企業と大企業を対象に、ハイブリッドクラウドの導入状況について調査した結果をまとめたもの。700社から有効回答を得た。
調査ではハイブリッドクラウドを「1つの業務システムで、オンプレミスとクラウドの双方を併用している状態」と定義している。
中堅中小企業(年商500億円未満)のハイブリッドクラウドの適用状況(導入状況)を年商別に見ると、年商5億円未満の小規模企業は「不要」が26.8%、「判断不可」が39.5%だった。一方、年商5億円以上の企業ではこれらの割合は低くなっている。年商50億円以上の企業に限れば、約3割が「適用済み(導入済み)」だった。
ハイブリッドクラウドにおける課題について、ノークリサーチが注目したのは「データ連携」「(オンプレミスとクラウドの)使い分け」「通信品質」の3点だ。
「オンプレミスとクラウドのデータ連携が難しい」と回答した割合は、ハイブリッドクラウド未導入の企業は21.8%。それに対してハイブリッドクラウド導入済みの企業は14.6%だった。「オンプレミスとクラウドの使い分けが難しい」という課題を挙げた企業は、ハイブリッドクラウド未導入企業は30.8%、ハイブリッドクラウド導入済み企業は22.3%となっており、どちらもハイブリッドクラウド未導入企業の方が割合は大きかった。これに対して「社内とクラウドの間の通信品質が低い」を挙げた企業の割合は、ハイブリッドクラウド未導入企業の17.2%に対してハイブリッドクラウド導入済み企業が19.7%となっており、適用済みの方が高かった。
オンプレミスに関する課題について、ノークリサーチは「人材不足」「自動化する方法が不明」「サーバが乱立している」の3つに注目している。
「管理、運用を担う社内人材が不足している」を挙げた企業の割合は、ハイブリッドクラウド未導入企業の44.5%に対してハイブリッドクラウド導入済み企業は22.3%だった。これらの点からノークリサーチは「クラウド関連の課題以前に、そもそもオンプレミスの管理、運用を担う人材が不足しており、新たな取り組みに踏み出す余力がないことがハイブリッドクラウド適用の大きな障壁となっている」と分析している。
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