IDC Japanは、国内ソフトウェア市場の実績と予測を発表した。2023年の売上額は対2022年比で9.5%増の4兆6824億8200万円。また、AIプラットフォームが高成長しており、対2022年比で58.8%増加していた。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
IDC Japanは2024年5月22日、国内ソフトウェア市場の実績と予測を発表した。それによると、2023年の売上額は、対2022年比で9.5%増の4兆6824億8200万円。同社は、2023〜2028年の年間平均成長率(CAGR)を9.4%、2028年の売上額は7兆3287億円に達すると予測している。
IDC Japanによると2023年の国内ソフトウェア市場は、生成AI(人工知能)ブームによる企業でのAI活用への関心の上昇や、アプリケーションのモダナイゼーション要求、サイバーセキュリティ対策の増加などによって国内企業のソフトウェア投資を押し上げ、堅調に成長した。中でもパブリッククラウドサービスの売上額は、対2022年比で21.0%増の1兆8586億円700万円と高い成長を維持し、ソフトウェア市場全体の39.7%を占めた。
同社はソフトウェア市場を「アプリケーション開発/デプロイメント市場」「アプリケーション市場」「システムインフラストラクチャソフトウェア市場」の3つに分類している。
2023年の売上額は、対2022年比で13.3%増の1兆1957億1000万円。AIプラットフォームが対2022年比で58.8%増と高成長を継続した。
2023年の売上額は、対2022年比で8.5%増の1兆9676億1500万円。「デジタルCX」(Customer Experience)向上に向けたCRM(Customer Relationship Management)が対2022年比で13.4%増と成長をけん引した。
2023年の売上額は、対2022年比で7.9%増の1兆5191億5700万円。特にサイバーセキュリティ対策/デジタルトラスト向上に向けたセキュリティソフトウェアの成長が対2022年比で15.1%と著しかった。
IDC Japanは、企業によるアプリケーションへのAIの組み込みやサイバーセキュリティ対策に向けたソフトウェア投資が2024年以降も継続するとみている。アプリケーション開発/デプロイメント市場の2023〜2028年のCAGRを16.9%、アプリケーション市場は6.3%、システムインフラストラクチャソフトウェア市場は6.1%と見込んでいる。
IDC Japanの眞鍋 敬氏(Software/Service Solutionsグループディレクター)は、「記録的円安に伴う国内経済状況と経済成長、災害や諸外国の情勢変化など、国内IT市場に与える変動要因は多数ある。これらの要因はIT市場の促進/阻害を左右するが、生成AIブームやITシステムモダナイゼーションはデジタル社会インフラシステムやデジタルビジネスを推進する国内企業/団体のソフトウェア投資に対して促進要因になるだろう」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.