クラウドAIサービス利用におけるサステナビリティ、そのベストプラクティスとはGartner Insights Pickup(355)

クラウドAIはAI機能の実装を加速させるが、特に生成AI需要への対応には膨大なリソースが消費される。クラウドAIの選択にはAI機能自体に加え、サステナビリティ態勢も評価の最優先事項になる、さまざまなベストプラクティスがある。

» 2024年06月14日 05時00分 公開
[Ed Anderson, Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Insights」などのグローバルコンテンツから、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 クラウドAIはAI機能の実装を加速させるが、AI(特に生成AI)需要への対応には、電力など膨大なリソースが消費される。そのため、サステナビリティ(持続可能性)の観点から見ると、クラウドAIを選択する際はプロバイダーのクラウドAI機能自体に加え、サステナビリティ態勢も評価の最優先事項になる。

 サステナビリティへのコミットメントを示しているクラウドプロバイダーのみをパートナーに選ぶことが基本だが、それは出発点にすぎない。生成AIアプリケーションをデプロイ(展開)する上で、クラウドAIプラットフォームの利用が環境に与える影響の多くを軽減できる、サステナビリティと最適化に関するさまざまなベストプラクティスがある。その主なものを以下に挙げる。

再生可能エネルギーを使用

 可能な限り、消費電力を再生可能エネルギーでまかなうクラウドの生成AIサービスのみを使用する。持続可能なクラウドプロバイダーは、各クラウドリージョンや特定のクラウドデータセンターの再生可能エネルギー統計を顧客と共有している。ただし、クラウドデータセンターに供給される電力の発電源を曖昧にごまかすグリーンウォッシング(環境に配慮しているように装うこと)に注意する必要がある。

 一部のクラウドプロバイダーは、再生可能エネルギー証書を使用することで、事業活動で消費するエネルギーを「100%再生可能エネルギー」で調達する目標を達成している。こうしたプロバイダーのクラウドサービスは、クラウド利用において再生可能エネルギー化を実現するための主要なソリューションとしてではなく、予備の選択肢としてのみ使用すべきだ。

エネルギー消費を最小限に

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