生成AIは「まだ」幻滅されていない ガートナーが「未来志向型テクノロジー」のハイプ・サイクルを発表RAGの取り組みが「生成AI全体の期待度を低下させる」?

ガートナージャパンは、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジーのハイプ・サイクル:2024年」を発表した。検索拡張生成やヒューマノイドなど、将来に向けて企業が注目しておくべき5項目のテクノロジーやイノベーションを追加した。

» 2024年08月09日 08時00分 公開
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 ガートナージャパンは2024年8月7日、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジーのハイプ・サイクル:2024年」を発表した。同社が分析した「将来に向けて企業が注目しておくべき5項目」が追加されている。

画像 日本における未来志向型インフラ・テクノロジーのハイプ・サイクル(提供:ガートナージャパン

RAG、LBMなどが追加

 ガートナージャパンは、2024年版ハイプサイクルで「今後全ての企業にとって重要となる、未来志向型と捉えられるテクノロジーやトレンドとなっている40のキーワードを取り上げた」としている。新たに追加されたのは、「RAG」(検索拡張生成)、「マシン・カスタマー」「ヒューマノイド」「エンボディドAI(人工知能)」「LBM」(大規模行動モデル)の5つ。

 “RAG”は自社データを生成AIの出力に組み込む方法で、業務に特化した生成AIが利用できると、期待が高まっている。ハイプサイクルでは、「過度な期待」のピーク期にある。

 同社の亦賀忠明氏(ディスティングイッシュトバイスプレジデント、アナリスト)は「多くの企業やエンジニアがRAGにチャレンジしているが、精度向上に苦心しているという声も寄せられている。この状況が続くと生成AI全体の期待度が低下する可能性がある。この状況を緩和するためにも『生成AI』を推進するリーダーは、ステークホルダーとの間でうまく期待値をコントロールすることが重要だ」と述べている。

 なお、“生成AI”もRAGと同様にピーク期にあるが、どちらかといえば後半(幻滅期に向かって落ち込み始める部分)に位置付けられている。

 ガートナージャパンの鈴木雅喜氏(バイスプレジデントアナリスト)は、「AIに関連する技術は今後さまざまな用途と業種に広がり、利用者視点で価値を生み出す人中心の考え方の下で複数の技術を複合化させていくトレンドが継続するだろう。デジタル化やイノベーションを推進するテクノロジーリーダーは、まず本ハイプサイクルで取り上げるテクノロジー/概念の中から、自社に利益をもたらす可能性のあるものを見極め、その現在の成熟度と十分に成熟するまでの期間を理解し、自社が投資すべきテクノロジーを判断することが重要だ」と述べている。

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