Microsoftは、独自のArmベースプロセッサ「Azure Cobalt 100」を搭載したAzure仮想マシンの一般提供を開始した。
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Microsoftは2024年10月16日(米国時間)、「Azure Cobalt 100」プロセッサを搭載したAzure仮想マシン(VM)の一般提供を開始した。Azure Cobalt 100は、Microsoftが完全に自社で設計した同社初の64bit Armベースプロセッサだ。
Azure Cobalt 100ベースのVMは、汎用(はんよう)のDpsv6シリーズおよびDplsv6シリーズと、メモリ内アプリケーション向けに最適化されたEpsv6シリーズで構成されている。これらのVMは、Microsoftの従来のAzure ArmベースVMよりも最大50%優れた価格性能比を提供し、データ分析、Webおよびアプリケーションサーバ、オープンソースデータベース、キャッシュなど、スケールアウト型でクラウドネイティブの幅広いLinuxベースワークロードにおける選択肢になるという。
Microsoftによると、Azure Cobalt 100ベースのVMは、従来のAzure ArmベースVMと比較して、CPU性能は最大1.4倍で、Javaベースのワークロードで最大1.5倍、Webサーバ、.NETアプリケーション、インメモリキャッシュアプリケーションで最大2倍の性能を発揮する。また、4倍のローカルストレージIOPS(I/O毎秒。NVMe使用時)と最大1.5倍のネットワーク帯域幅をサポートしている。
Azure Cobalt 100ベースのVMは、カナダ中部、米国中部、米国東部2、米国東部、ドイツ中西部、東日本、メキシコ中部、北ヨーロッパ、東南アジア、スウェーデン中部、スイス北部、UAE北部、西ヨーロッパ、米国西部2の各リージョンで広く利用できる。オーストラリア東部、ブラジル南部、フランス中部、インド中部、米国南部、英国南部、米国西部3、米国西部の各リージョンでも、近いうちに利用可能になる。
Azure Cobalt 100ベースのVMは、以下の3つのシリーズがある。特定のvCPU(仮想CPU)サイズに対して3種類の比率のメモリ容量のいずれかを組み合わせることができるため、CPUパフォーマンスとメモリニーズの観点から、ワークロードに最適な構成を柔軟に選択できる。これらのVMシリーズは全て、ローカルディスクありとディスクなしが用意されており、ワークロードに最適なオプションをデプロイ(展開)できる。
最大96個のvCPUと384GBのRAMを提供(メモリ対vCPU比4:1)する。スケールアウトワークロード、「Azure Kubernetes Service」(AKS)のようなクラウドネイティブソリューション、中小規模のオープンソースデータベース、アプリケーションサーバ、Webサーバに最適。Arm開発者は、これらのVMをCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプライン、開発、テストのシナリオで使用できる。
最大96個のvCPUと192GBのRAMを提供(メモリ対vCPU比2:1)する。メディアエンコーディング、小規模データベース、ゲームサーバ、マイクロサービス、および1vCPUにつき大量のRAMを必要としないワークロードに最適だという。
最大96個のvCPUと672GBのRAMを提供(メモリ対vCPU比は最大8:1)する。大規模データベース、インメモリキャッシングアプリケーション、データ分析など、メモリ集約型ワークロード向けに設計されている。
これらのAzure Cobalt 100ベースのVMは、Standard SSD、Standard HDD、Premium SSD、Ultra Diskストレージなど、全てのリモートディスクタイプをサポートする。ただし、ディスクストレージはVMとは別に課金される。これらの新しいVMは、Azureポータル、SDK、API、PowerShell、コマンドラインインタフェース(CLI)など既存の方法を使用してデプロイできる。
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