ITRは、国内企業を対象に実施したIT投資動向調査の結果を発表した。2025年度のIT予算を増額する企業が過去最多で、生成AIや機械学習プラットフォームへの投資意欲が高いことが分かった。
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アイ・ティ・アール(ITR)は2024年11月26日、国内企業を対象に実施したIT投資動向調査の結果を発表した。この調査は国内企業のIT戦略、IT投資の意思決定に関与する役職者を対象に実施し、2374人から有効回答を得た。それによると、2025年度IT予算の「増額」を見込む企業の割合は、対前年度比1ポイント増の45%で、2001年に同調査が開始されて以来の最高値だった。
ITRは「IT戦略を遂行する上でDX(デジタルトランスフォーメーション)は依然として重要なテーマとなっており、高い注目を集めているAI(人工知能)は本格的な業務適用のフェーズへの移行が進んでいる」と分析している。調査結果によるとDX関連は82%、AI関連は70%の企業が、各予算を計上している。これらの予算の全部(または一部)をIT予算として計上している企業の割合は、DX関連が56%、AI関連が46%で、IT予算が増加基調にある一因になっている。
企業ITに関わる110項目の製品、サービスのうち、2025年度に新規導入または投資額を増減する可能性のあるものは、どちらも「生成AI」が1位で、2位が「AI/機械学習プラットフォーム」。新規導入の可能性では「iPaaS(Integration Platform as a Service)/API管理ツール」が4位、投資増減予定では「ローコード/ノーコード開発」が3位に浮上しており、ITRは「AI機能を組み込んだ業務アプリケーションの開発ニーズが拡大している」と述べている。
ITRの三浦竜樹氏(プリンシパルアナリスト)は、「国内企業のIT投資は、2022年度から2024年度にかけて高い水準で推移しており、2025年度も同等のIT投資意欲が維持されることが見込まれる。企業の7割以上がDXやAI関連の予算を計上していることに加え、前年度まで足踏み状態だったDX推進体制やプロセスの整備が再び進展し始めていることは、注目すべき動きだ。企業は、AIなどの先端技術を採用したIT製品、サービスへの投資とともに、先端技術を活用したDX推進の人材の採用と育成、そのための予算を適切に確保することで、デジタル技術によるイノベーションの成果を上げていくことが求められる」と述べている。
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