IDCは、2024年第4四半期のクラウドおよび非クラウドインフラハードウェア支出の動向を発表した。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
調査会社のIDCは2025年3月27日(米国時間)、2024年第4四半期のクラウドおよび非クラウドインフラハードウェア支出の動向を発表した。
IDCはこの発表でクラウドを共有クラウドと専用クラウドに分類しており、それぞれの定義は以下の通り。
IDCによると、2024年第4四半期のクラウドコンピュートおよびストレージインフラハードウェア(以下、クラウドインフラ)支出と、クラウド以外のコンピュートおよびストレージインフラハードウェア(以下、非クラウドインフラ)支出は、以下のようになった。
共有クラウドインフラ支出は、インフラ支出全体(890億ドル)の64.0%を占めたという。また、クラウドインフラの出荷数量は、支出の伸びよりも大幅に低い33.5%増となった。IDCは、主にGPU(Graphics Processing Unit)サーバの出荷台数の急増に伴い、平均販売価格(ASP)が継続的に上昇していることをその背景に挙げている。
「クラウドインフラ支出は、第4四半期も市場予測を上回る増加を続けた」と、IDCのWorldwide Enterprise Infrastructure Trackers担当ディレクターを務めるフアン・パブロ・セミナラ氏は説明する。
「DeepSeekの『DeepSeek R1』は当初、業界に衝撃を与え、大規模なAIインフラ投資の必要性に対する疑問が広がったが、後にその疑問はあまり妥当なものではなかったことが判明した。業界は、単純なチャットbotからリーズニングモデル、エージェントAIへの進化には、特に推論のために、数桁多い処理能力が必要になることを理解している。そのため、投資コストの効率化が進んでも、クラウドインフラ支出は今後5年間、年平均17.8%のペースで増加すると、IDCは予測している」(セミナラ氏)
IDCは、2025年のクラウドおよび非クラウドインフラ支出を以下のように予測している。
また、GPUアクセラレーションのためのクラウドインフラ支出は2025年に46.8%増加し、1578億ドルに達する見通しだ。
IDCは、さまざまなサービスプロバイダーと非サービスプロバイダーのインフラ支出も追跡している。サービスプロバイダーには、クラウドサービスプロバイダー、デジタルサービスプロバイダー、通信サービスプロバイダー、ハイパースケーラー、マネージドサービスプロバイダーが含まれる。非サービスプロバイダーには、企業、政府機関などが含まれる。
2024年第4四半期のサービスプロバイダーと非サービスプロバイダーのインフラハードウェア支出は以下のようになった。IDCは、サービスプロバイダーの2025年のインフラハードウェア支出を前年比30.9%増の2621億ドルと予測している。
地域別では、2024年第4四半期のクラウドインフラ支出はほとんどの地域で大幅に増加した。伸びが大きかった順に見ると、カナダが前年同期比151.8%増、米国が125.3%増、中国が99.6%増、日本が76.2%増、APeJC(日本と中国を除くアジア太平洋地域)が48.0%増、西欧が36.8%増、中東/アフリカが28.1%増、中南米が14.3%増となった。中/東欧は5.6%増と1桁成長にとどまった。
IDCは、2024~2029年における世界のインフラ支出を以下のように予測している。
クラウドインフラ支出は2029年には、インフラ支出全体(5563億ドル)の83.0%を占める見通しだ。また、共有クラウドインフラ支出は2029年には、クラウドインフラ支出全体の80.5%を占めると予測されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Cloud Native Central 險倅コ九Λ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー