オープンソースに関する専門チーム、「Open Source Program Office(OSPO)」を設立する国内企業が増えてきました。こうした企業は何をきっかけに、何を目指してOSPOを作るのでしょうか? 企業が組織としてオープンソース活動にどう取り組むべきかを探る連載の第3回として、OSPOの設立に至るきっかけを詳細に解説します。
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企業や教育・行政機関で、オープンソース活動に関する社内組織「Open Source Program Office(OSPO)」の設置が進んでいます。本連載の前回は、OSPOの定義や役割、国内外での動向や特徴についてのインタビューをお届けしました。
OSPOの目的は「組織外部のオープンソースコミュニティーとの橋渡しを行い、組織内部ではオープンソース関連活動の中心的役割を果たす」(OSPOの定義より)ことにあります。ですが、その具体的な役割や運営形態は「Your OSPO is not my OSPO.」と表現されるように多種多様です。
各組織におけるOSPOの始まり方も、同じようにさまざまです。どのようなきっかけでOSPOが生まれたのかを知ることは、OSPOを理解し、自分たちに合ったOSPOを作る上で参考になると思います。
そこで今回は、企業がOSPOを設立するきっかけを紹介します。
「OSPO」という名前の正式な組織の設立に至っていなくても、同様な役割を果たす組織や集団が社内に生まれている企業は多数あります。こうした取り組みが始まるきっかけには、次のようなケースがあります。
それぞれ見ていきたいと思います。
OSSを利用し始めるきっかけとしては、「Webから簡単に取得して使える」「OSSの利用を顧客から求められた」といったことが挙げられます。
オープンソースとして手に入るソフトウェアに興味を持ち、どんなものか試してみたい、というのはエンジニアとして当然です。しかも、特に制約も手続きもなく取得できるのですから、簡単に試すことができます。
試してみると、作りたいソフトウェアと異なるとしても、ソースコードがあるために少し手直しするだけで、何もないところから自分で作るよりも早く、目的のソフトウェアを作れることが分かります。
そこで、これを業務のプロジェクトで使うと効率的であると周囲に相談します。ここで誰かから、「本当に使っていいの?」という疑問が出てきて、上司、その上司、法務部門、知財部門と話が広がっていく、というのがよくあるシナリオです。
「本当に使っていいのか」という疑問が出てくるタイミングはさまざまです。開発プロジェクトで使い始める前かもしれませんし、プロジェクトで使って外部にリリースする直前かもしれません。
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