企業におけるレガシーシステムのモダナイゼーションは容易には進んでいない。その現状と、刷新プロジェクトを停滞させる要因は何か。ROUTE06がレガシーシステムのモダナイゼーションに関する実態調査の結果を公表した。
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老朽化した基幹システム(以下、レガシーシステム)は、企業にとっては事業の競争力を静かにむしばむリスクとなっている。技術者不足やブラックボックス化に伴う問題は、放置するほどに解決コストが膨らみかねないが、モダナイゼーションが容易には進んでいないのが現状だ。
これについてAI駆動開発プラットフォームを提供するROUTE06は2026年4月22日、基幹システムの企画・刷新の現状について調べた「モダナイゼーションの実態調査」の結果を公表した。企業におけるモダナイゼーションの進行/停滞状況や、それに伴うリスク、またプロジェクトの成功と失敗の要因などについてまとめられている。
モダナイゼーションの実態調査は、基幹システムの企画・刷新に関与する部署の管理職およびSIer(システムインテグレーター)、ITベンダーの要件定義担当者328人を対象に行われたものだ。
同調査によると、モダナイゼーションが必要なレガシーシステムの有無について尋ねた設問では、「以前はあったが、すべて刷新済み」(26.7%)と「現在もあり、モダナイゼーションが一部完了」(46.7%)の両方を合わせて、73.4%が既にモダナイゼーションの取り組みを進めている。一方で、事業会社の17.0%が「現在もあり、モダナイゼーションが必要だが未実施」と回答している。
残っているレガシーシステムに対するモダナイゼーションの進捗(しんちょく)状況については、「構想段階(構想止まり)」と答えた割合が事業会社で46.7%、SIer・ITベンダーが担当する顧客企業でも54.7%に上っている。
なお、モダナイゼーション対象システムで使用されていた言語としては、Javaと回答した割合が事業会社の56.2%、SIerの48.1%で最多となった。一方、COBOLも依然として事業会社の43.8%、SIerの45.9%を占めている。PL/Iは事業会社が43.0%、SIerが45.2%だった。
レガシー言語を扱える技術者が不足した場合の影響については、「システム改修が停滞する」(53.9%)、「障害発生時の対応(特定・復旧)が遅れる」(53.3%)、「セキュリティ対策が遅れる」(48.0%)といった回答が上位を占めた。
モダナイゼーションを実施した事業会社の70.2%が「おおむね達成できた」と回答した一方で、「一部は達成できたが、課題が残った」との回答も31.4%に上った。
課題が残ったまたは目標が達成できなかった理由としては、以下が挙がった。
モダナイゼーションが本格的に進んでいない理由として、事業会社は「投資対効果が不明確」(51.9%)、「移行期間やコストを見積もれない」(50.0%)などが多く挙がった。一方でSIer・ITベンダーでは、担当する顧客企業の状況として「業務停止リスクが懸念される」が63.9%、「言語変換の精度や品質への不安がある」が52.5%となった。
モダナイゼーションに期待する効果としては「新機能追加・改修のスピード向上」が57.1%で最多となった一方で、実際にモダナイゼーションを実施した結果感じている効果としては「システム保守コストの削減」が52.1%で最も多い結果となった。
モダナイゼーションで重視する点については、「業務を止めずに移行できること」(59.1%)、「影響範囲・コスト・期間を事前に可視化できること」(57.7%)が多くの回答を集めた。
またプログラミング言語の変換に伴う懸念としては、「変換時のバグ・不具合の発生」が62.2%、「業務ロジックの再現性」が55.1%という回答結果になった。
モダナイゼーションに成功している企業の共通点については、「明確なロードマップ策定」(55.8%)、「影響範囲の事前可視化」(55.2%)という回答が多く寄せられた。
一方、モダナイゼーションが進まない場合の経営リスクとしては、事業会社、SIer・ITベンダー共に「DX推進の停滞・遅延」、「技術者不足による保守・運用の困難化」が半数を超えた。
ROUTE06は今回の調査結果について、根本にあるのは影響範囲・コスト・品質が事前に見えないことだと指摘している。さらに、判断材料の整備をAIで補うアプローチは業界全体で加速しており、影響範囲やコストを事前に可視化しながら段階的に移行できる仕組みを整えることがモダナイゼーション前進の鍵になるとしている。
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