ブラウザ内AI推論を「最大60倍」速く Web AIランタイム「LiteRT.js」をGoogleが発表もうサーバはいらない(2/2 ページ)

» 2026年08月18日 13時00分 公開
[@IT]
前のページへ 1|2       

「標準的なCPU実行と比べて5〜60倍の高速化」

 統合ランタイムとハードウェアアクセラレーション対応バックエンドの効果を示すためにGoogleはLiteRT.jsと既存Web製品と比較、評価した。従来型のコンピュータビジョンモデルと音声処理モデルにおいて、LiteRT.jsはCPU推論とGPU推論の両方で、他のWebランタイムを最大3倍上回ったという。

LiteRT.jsと既存Webランタイムの性能比較:M4チップ搭載「MacBook Pro」(2024年モデル)で測定(出典:Google

 Googleは、CPU(XNNPACK経由)、WebGPU、WebNN(Apple CoreML経由)という3つのWeb実行バックエンドで、人気のAIモデルのベンチマークも実施した。物体追跡、画像加工、音声の文字起こしのような要求の厳しいリアルタイムアプリケーションでは、GPUやNPUの活用により、標準的なCPU実行と比べて5〜60倍の高速化が得られた。

CPU、WebGPU、WebNNの3つのバックエンドによる性能比較(提供:Google

デモ:Webブラウザで物体検出、深度推定、画像アップスケーリング

 物体検出では、リアルタイムの物体検出モデルと画像セグメンテーションモデルのファミリー「YOLO」(You Only Look Once)の開発元Ultralyticsが、公式のLiteRTエクスポート機能を自社のPythonパッケージに組み込んだ。開発者はUltralyticsのYOLOモデルをモバイル、エッジ、ブラウザに展開でき、コンパイルから実行までを数行のコードで実現できる。

 深度推定のデモ「Depth Anything」は、標準的なWebカメラの映像を、リアルタイムでインタラクティブな3次元点群に変換する。WebGPU経由で「Depth-Anything-V2」モデルを利用し、深度データを瞬時に計算する。

Depth AnythingとWebGPUを使った単眼深度推定のデモ(クリックで動画再生)(提供:Google

 画像アップスケーリングのデモでは、「Real-ESRGAN」モデルを使い、Webブラウザ内で画像を4倍に拡大する。128×128ピクセルのパッチを512×512に拡大し、それらを再構成して最終的な画像を生成する仕組みだ。

今後の計画

 GoogleはLiteRT.jsの性能を向上させるとともに、モデル対応と開発者向けツールの機能を継続的に拡充する方針だ。WebNN統合の強化と、オンデバイス生成AIに対する高度に最適化されたサポートの提供に重点を置くという。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

ID・パスワードから始める「引き算」のセキュリティ〜ゼロトラスト狂騒曲の果てに
その「AIコーディング」は本当に必要か?
Microsoft & Windows最前線2026
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。