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低性能端末でも使えるか? Android 4.4 KitKatの新機能39選Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門(47)(4/4 ページ)

消費電力の削減につながる新機能や、よりシンプルになったUI、印刷やストレージアクセス、SMSなどの新機能をテーマ別に紹介します。

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メディア機能

 Android 4.4では新しいメディア機能が追加されました。

【26】画面録画/動画キャプチャー

 USBで接続されているAndroidデバイス画面を直接キャプチャーしてビデオを制作できるようになりました。Android SDKには、画面録画ユーティリティが提供され、この画面録画機能を用いることで、アプリのチュートリアルやテスト、マーケティング用動画などを簡単に作成できます。

 画面録画ユーティリティはキャプチャーした動画をMP4形式でAndroid端末内、またはPC上に保存できます。画面キャプチャからアプリのコンテンツを保護するためには、「SurfaceView.setSecure()」メソッドを用います。

【27】解像度切り替え

 Android 4.4では、Androidメディアフレームワークで「Adaptive playback」を正式にサポートし、動画再生時の解像度切り替えを可能にします。これは「MPEG-DASH」のビデオデコーダーのオプション機能で、動画の解像度が切り替わっても、余白を表示することなく出力がシームレスに切り替わります。

【28】MPEG-DASHのための共通暗号化

 Android 4.4では、保護コンテンツを管理するための標準的なマルチプラットフォームDRMスキームを提供し、MPEG-DASHのための共通暗号化(CENC)をサポートしています。

【29】HTTPライブストリーミング

 Android 4.4では、HTTPライブストリーミング(HLS)サポートを、HLS仕様バージョン7(プロトコルバージョン4)に更新しました。詳細はIETFドラフトを参照してください。

【30】DSPへのオーディオトンネリング

 Android 4.4では、高性能で低電力なオーディオ再生のために、デバイスチップセットのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)にオーディオトンネリングします。トンネリングを使用すると、オーディオデコーディングなどがハードウェアで行われ、CPU使用量を減らすことでバッテリの消耗を抑えられます。

 オーディオトンネリングは今のところNexus 5でのみ利用可能です。Nexus 5でオーディオトンネリングを使用した場合、しない場合と比べて再生時間が50%も長くなります。

 オーディオトンネリングがサポートされているデバイスでは、特にアプリを変更しなくても自動的にこうした効果が得られます。

【31】オーディオモニタリング

 Android 4.4では、デバイス上で現在再生中のあらゆるオーディオのピークとRMSレベルを取得する新しいVisualizer effectのモニタリングツールを使用できます。

 例えば、音楽ビジュアライザーなどでこれを使えますし、メディアプレーヤーで再生メーターを実装できます。

【32】ラウドネスエンハンサー

 メディアプレイヤーアプリを作る場合、音声に特化した新しい「LoudnessEnhancer」クラスで、音声音量のみを増加して聞き取りやすくできます。

【33】AVシンク用のオーディオタイムスタンプ

 Android 4.4では、オーディオフレームワークのプレゼンテーションタイムスタンプを利用して、より正確に動画と音声のフレーム同期ができるようになりました。

【34】Wi-Fi認定Miracast

 Android 4.4端末は、Miracast互換などのWi-Fi表示仕様認定を受けることができるようになりました。ちなみにNexus 5は、Miracast認定のワイヤレス表示端末です。

グラフィックスとGPU演算

 Android 4.4では、グラフィックス機能に以下の変更があります。

【35】SurfaceFlingerプロセスのOpenGL ES 2.0サポート

 SurfaceFlingerプロセスがOpenGL ES 1.0からOpenGL ES 2.0へアップグレードされました。

【36】仮想ディスプレイ用の新しいハードウェアコンポーザサポート

 Androidのハードウェアコンポーザ「HWComposer」の最新バージョン1.3では、プライマリ、外部(例えば、HDMI)ディスプレイに加えて、1つの仮想ディスプレイをサポートしており、OpenGL ESの相互運用性を向上させました。

【37】RenderScript演算

 RenderScriptとは、GPUで高速描画が行えるグラフィックエンジンで、Android 4.4で数々の改善が行われています。RenderScriptは継続的にパフォーマンスが向上されています。

 上のチャートは、2台の人気チップセットでのAndroid 4.4のパフォーマンス向上度合いを示しています。アプリがRenderScriptを使用することで、このようなパフォーマンス向上が自動的にもたらされます。

【38】RenderScriptとGPUアクセラレーション

 RenderScriptを使用するアプリは、GPUアクセラレーションがサポートされているデバイスでよりパフォーマンスが向上します。

 現在のところ、GPUアクセラレーションはNexus 5、Nexus 4、Nexus 7(2013)、Nexus 10で利用可能です。

【39】RenderScriptのAndroid NDKサポート

 Android 4.4では、ネイティブコードから直接RenderScriptを利用できるようになりました。

低性能端末から高性能端末まで幅広い機能強化

 以上、今回はAndroid 4.4の新機能を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。最後のRenderScript演算含め、低性能端末でも使えるように工夫されていますね。一方で、対応プロトコルやデバイス連携、メディア機能の強化といった高性能端末への配慮も見られます。

 これらの機能は、今後の連載でも紹介する予定ですので、お楽しみに。

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