Webグループウェア・カタログ
北浦 訓行
2002/10/22
シンプルかつフリーウェアなのが魅力 TrueOffice |
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TrueOfficeは、WebサーバのCGIとして動作するフリー(条件付き)のグループウェアです。TrueOfficeはC言語で開発されているため、PerlやPHP、Java Scriptなどで開発されたグループウェアよりもより少ないリソースで高速に動作します。無料である条件は、自社(自者)でインストールを行い、自社(自者)で運用することです(http://tr.qupa.com/to/price.htm参照)。
TrueOfficeがサポートする機能は、グループ管理、スケジュール管理、行き先表示(行先伝言板)、施設予約、掲示板、ToDo、お知らせ、WebLink(URLリンク)です。
CGIが実行可能なディレクトリにダウンロードしたファイルを展開して、アクセス権の設定を行うことでインストールします。Red Hat Linux 7.3にインストールする場合は、/var/www/cgi-bin/ディレクトリにTrueOfficeのサブディレクトリ(筆者の場合は「to」)を作成して、chmodコマンドでそのディレクトリを777のアクセス権に設定します。そして、ダウンロードしたto107.tar.gzをtarコマンドで展開して、chmodコマンドでTrueOfficeのCGIファイル(*.cgi)に6755のアクセス権を設定します。
初期設定は、
http://サーバ名またはIPアドレス/TrueOfficeをインストールしたCGIディレクトリ/toBeginning.cgi |
にアクセスします。初期設定完了のメッセージが表示されたらインストール作業は終了です。ログインするには、以下のURLにアクセスします。
http://サーバ名またはIPアドレス/TrueOfficeをインストールしたCGIディレクトリ/toin.cgi |
筆者は、http://IPアドレス/cgi-bin/to/toin.cgiでログインしています。TrueOfficeにログインすると、iモードのようなシンプルな画面構成に驚くかもしれません。
TrueOfficeのホームページ。文字だけで構成されたシンプルな画面(画像をクリックすると拡大表示します) |
最初は、管理者(ユーザー名「toadmin」、パスワード「なし(空欄)」)でログインし、ユーザー登録やグループの設定、掲示板、施設などの設定を行います。TrueOfficeにはログアウトというメニューがないので、別のユーザーでログインするときは、上記のtoin.cgiを再度アクセスします。
TrueOfficeの画面はほとんど文字だけで構成されているため、使用方法は比較的分かりやすくなっています。唯一グラフィカルなインターフェイスを持つのがスケジュールですが、スケジュールの重複(ダブルブッキング)を許すかどうかの設定が可能なくらいで、後は日時と予定の内容(登録された項目から選択)、場所などを記入するだけです。予定の時間になったらアラームなどで知らせるといった機能はありません。また、施設予約と連動もしていません。
TrueOfficeのスケジュール画面(画像をクリックすると拡大表示します) |
TrueOfficeで使い方が分かりにくかったのは、離席している人への伝言を入力する方法です。伝言を入力するには、[行き先表示]メニューで相手を検索します。すると、行き先の一覧が表示されるので[伝言]項目の[書込]というリンクをクリックして伝言を入力します。伝言を見るには、[自身あて伝言参照]メニューをクリックします。伝言についても、見るためには自分からメニューを選択するというアクションを起こさなければなりません。
TrueOfficeは、とてもシンプルなグループウェアです。機能も最低限必要なものに絞られていますし、内容も単純です。その代わり、少ないリソースでも快適に動作します。また、フリーウェアである点も魅力です。簡単な機能しか使わない場合や数人規模の事務所などで使うのに適しています。逆に、自分あての伝言があるときや、予定した会議の時間にはメッセージを表示してほしいと考えている方には向いていません。
なお、TrueOfficeの画面構成は日本アイ・ビー・エムの「ホームページ・ビルダー」で編集できます。そのための情報がTrueOfficeのWebサイトで公開されています。
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