Linuxで動く
Webグループウェア・カタログ


北浦 訓行
2002/10/22

 日本を代表する高機能Webグループウェア
 サイボウズAG

 
製品名: サイボウズAG
URL: http://cybozu.co.jp/products/ag/
価格 6万8000円(10ユーザー、基本セット)
対象OS: カーネル 2.2以上(2.4含む)、glibc 2.1以上

 サイボウズAGは、Webベースのグループウェアとして有名な「サイボウズOffice」シリーズの最新版です。サポートする機能は、カレンダー(スケジュール管理、施設予約、タイムカード、行先伝言板、ToDoリストなどを統合)、Myフォルダ(情報を整理する個人フォルダ)、メッセージ(回覧板、掲示板、電子会議室の機能を統合)、メール、アドレス帳、ファイル管理、掲示板です。これらは、最初に導入する「基本セット」に含まれている機能で、これ以外にプロジェクト、ワークフロー、報告書、PDA連携、携帯電話連携などの機能がオプションで用意されています。

 サイボウズAGの特徴は、これまでのグループウェアが目的としていた「情報の共有」から「知的生産性の向上」へと開発の重点を変更した点です。そのため、従来は独立していたスケジュール管理や施設予約、ToDoリストなどをカレンダーに統合したり、インターネットによる情報検索と連携するなど、従来のグループウェアと一線を画した内容となっています。今回試用してみて、それが使いやすさへとつながっているように感じました。

 インストールは、圧縮されたtarファイルを展開して、専用のインストーラを起動して行います。Red Hat Linux 7.xでは、ドキュメントルートディレクトリ(/var/www/html)とインストールディレクトリ(/var/www/cgi-bin/cbag)の確認に注意が必要ですが、それさえ気を付ければ問題はありませんでした。また、同社Webサイトにあるインストール方法の説明はとても丁寧で分かりやすいので、困ることはないでしょう。

 インストール作業が終了したら、Webブラウザで以下のURLにアクセスします。

http://サーバ名またはIPアドレス/cgi-bin/cbag/ag.cgi?

 ログイン画面が表示されるので、ログイン画面の下の[システム設定]をクリックして、グループの設定やユーザーの登録を行います。1人のユーザーを複数のグループに所属させることもできます。

 ユーザーとしてログインすると、トップページにカレンダーや個人ボックス(メールや相手からのメッセージが表示される)、ニュース、リンク集などが表示されます。また、新着のメールがあった場合は、別のウィンドウにメッセージが表示されます。

サイボウズAGのトップページ。ほかのWebベースのグループウェアとは一線を画した画面構成(画像をクリックすると拡大表示します)

 トップページからは、個々のリンクをクリックして詳細な情報を表示したり、カレンダーや個人ボックスなどのカテゴリに移動することもできます。操作法は分かりやすく、画面のレスポンスも良好です。

 機能面も充実しています。例えば、営業部のメンバーで臨時の会議を行いたい場合に、自動的に出席者の空いているスケジュールと設備(この場合は会議室)を検索して、予定を立ててくれる「予定の調整」機能は、とても便利です。

「予定の調整」画面。仮予定としてスケジュールに登録し、後で確定することも可能(画像をクリックすると拡大表示します)

 サイボウズAGは、従来のWebベースのグループウェアとは画面構成が異なっているので、旧バージョンやほかの製品を使い慣れた人だと最初は戸惑うかもしれません。しかし、すぐに、行いたい操作が自然な流れでできることに気付くでしょう。機能も充実していて、満足度の高い製品です。強いて難点を挙げるなら、価格がやや高めだということでしょう。例えば、ワークフロー機能と携帯電話連携機能を各10ユーザーで追加するには、基本セットの料金以外に10万2800円掛かります。

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Index
Linuxで動くWebグループウェア・カタログ
  Webベースのグループウェアとは?
  WebMagic Ver.2 for Linux
  TrueOffice
  Clara
サイボウズAG
  phpGroupWare
  desknet's
  グループウェア選択のポイント

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