予定表を共有してメンバのスケジュールを一望にし、会議開催や会議室などの施設管理を効率化できる。その具体的な手順について。
前回はExchange Server 2003(以下、特にバージョンを明記せず“Exchange Server”と表記した場合はExchange Server 2003を指すものとする)のパブリック・フォルダ機能について説明した。今回は予定表の共有と会議室の予約、代理人機能について説明する。
Exchange Serverの標準クライアントであるMicrosoft Outlook 2003(以下、Outlook)の「予定表」は、個人のスケジュールを管理するための機能だが、Exchange Serverと組み合わせることで、ユーザー同士でスケジュールを共有できるようになる。これを使えば、マネージャが部門内のメンバーの予定を把握するために利用したり、メンバーの空き時間を狙って会議の招集を行なったりできるようになる。
■予定表の公開方法
予定表をほかのユーザーへ公開するには、Outlookから次のように操作する。
「参照者」の役割が与えられたユーザーからは、次のように操作することで、ほかのユーザーの予定表を参照できるようになる。
上記のように、ほかのユーザーの予定表を参照するにはアクセス権が必要になるが、予定表内の空き時間(予定が入っていない時間)を参照するだけであれば、アクセス権は必要ない。従って、ほかの社員とちょっとした打ち合わせをしたい場合や、マネージャがグループ・ミーティングを開催したい場合などのように、「空き時間かどうかを調べて、具体的な予定については関知しない」という使い方であれば、アクセス権の付与は必要ない。
ほかのユーザーの空き時間の確認をするには、「グループ・スケジュール」という機能を利用する。その名のとおり、グループ(同じ部門のメンバーなど)のスケジュール(空き時間)を参照するための機能であり、次のように操作して利用する。
グループ・スケジュールは、ユーザーごとに作成しなければならず、作成したグループ・スケジュールは複数のユーザーで共有することができない。このような場合は、「配布グループ」機能を利用すると、グループ・スケジュールが作成しやすくなる。
配布グループは、複数のユーザーに一斉にメールを送信するための機能である。部門ごとやプロジェクトごとに作成しておくと便利である。また、配布グループにはほかの配布グループを含めることもできるので、例えば支社のすべての社員を含めた配布グループを作成したい場合は、まず支社内の部門ごとに配布グループを作成し、それらを含めた配布グループを作成するとよい。
配布グループを作成するには、「Active Directoryユーザーとコンピュータ」ツールを使ってグループを新規作成する。このときグループの種類は[配布]を選択し、グループのメンバーとして配布グループに含めたいメール・ボックスや、ほかの配布グループを追加すれば完成である。
グループ・スケジュールに対して、配布グループを追加することもできる。これにより、配布グループに含まれたメンバー全員の空き時間を一括で参照できるので便利である。また、追加した配布グループは、中に含まれているメンバーを展開することもできるので、メンバーを1人1人追加する手間が省けるようになる。
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