1年4カ月の自習で、545点から925点に。独学で短期間にTOEICのスコアを上げた筆者が、英語力向上のノウハウを伝授する。
前回「リスニング上達のコツは『発音の基礎+繰り返し練習』」では、リスニングの具体的な学習方法を紹介しました。今回は、リーディングのための文法と単語の学習方法、多読の効果についてお話しします。
文法を完ぺきにするためのトレーニングは、刺激が少なくつまらない、つらい訓練だと思います。しかし文法を知らなければ、文章も読めないし、会話もできません。
私は、文法に関してそんなにマニアックになる必要はないと思っています。けれど日常的に読んだり書いたりできる程度の文法は、英語学習の一番初めに身に付けておくのが効率的だと思います。
私が文法の勉強をしたのは、勉強を開始した最も初期の段階の1カ月弱です。使用した教材は放送大学の『英語I(’01)』です。すでに絶版になっていますが、高校程度の文法について分かりやすくまとめられていて、読みやすく優れている本だと思います。私は文法についてはほぼこの本のみで学習しました。
文法学習に使用する本の選定ポイントは2つあります。
学習の際のポイントも2つあります。
目標は、高校初級程度の文法を思い出すことです。TOEICの文章では、それ以上の難解な文法知識を必要とするものはほとんど出題されません。これは実際のビジネスの現場や英語の日常会話でも同様です。
TOEICのリスニングセクションの問題に解答するにも、リーディングセクションの問題文を読むにも、基礎レベルの文法力が必要です。このレベルの文法力に不足を感じる場合は、上記を参考になんとか身に付けてください。
しかし、TOEICのいわゆる文法問題(リーディングセクションのうち、Part5とPart6で出題されるもの)への対策は、学習の最後に回してもよいのではないかと思っています。文法問題で満点を取るためのマニアックな文法の勉強をしたところで、実践で必要となることはほとんどありませんし、TOEICの点数に与える影響も小さいからです。
例えば単語力、リスニング力、リーディング速度のどれが欠けても、TOEICのスコアに大きな影響を及ぼしてしまいます。しかし、Part5とPart6でしか出題されない文法問題で多少分からないものがあるだけなら、数問で誤答するだけです。文法の学習は最小限にして、文法問題以外で高得点を目指す戦法はありだと思います。
事実、私はTOEICの文法問題用のトレーニングをしたことがありません。上記の一般的な文法書で1カ月弱勉強したのみです。結果としてPart5は現在の私の一番の失点個所となっていますが、それでも900点を超えることは可能でした。
ここで私がいいたいことは、文法力がリスニングとリーディングのPart7で困らないレベルに達したら、さっさとほかの実のある勉強(単語、多聴、多読)に移った方がモチベーションが持続しやすいということです。
単語の勉強は文法と同様に、刺激が少ないつまらないものです。しかし文法と異なり、TOEICや英語の実践の場で、高校/大学の授業では習わない単語がかなり多く登場します。これらに対応するために、なんとか自力である程度の単語を身に付ける必要があります。
私は、単語については英語学習の初期(文法の基礎を学習した後)に、2000個くらい一気に覚えてしまうのがいいと思っています。TOEICに必要な単語数については諸説ありますが、中学レベルの基礎単語を除き、おおよそ2000〜3000語程度のようです。この2000単語をどうやって効率的に身に付けるかがポイントです。
私は、ニュートンの「TOEIC TEST対策TLT Soft」(以下、TLTソフト)という教材を使用しました。私が使用したのは旧バージョンで、単語の部分のみ別売りされていたのですが、現在は1つのパッケージになっていて別売りはしていないようです。
このソフトの特徴は、
などです。これらの特徴により、短期間(1〜3カ月)で多くの単語(2000〜3000語)を身に付けることができます。
私は英語学習を、かなりのコスト意識を持って行いました。TLTソフトの単語部分は、1万円を超える出費の中で唯一見合う教材であると結論しています。
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