コードを検査し、バグや、バグを発生させる可能性があるコードを検出する、コードインスペクション(解析)機能を標準で持っています。バグの検出だけでなく、クラス間の依存関係や循環参照の分析もでき、統合開発環境に組み込まれた機能としては十分過ぎる機能を持っています。
Intellij IDEAはキーバインドのカスタマイズが豊富であり、Eclipse、NetBeans、JBuilderなどのほかのJava統合開発環境のキーマップ以外にも、Visual StudioやEmacs、さらには、Mac OS XやLinux(GNOMEやKDE、X Window System)などのOS固有のキーバインドにも対応しています。
Java以外にもGroovyをサポートしています。また、無償で公開されているプラグインを利用すると、Scala言語もサポートします。商用版のUltimate Editionでは、PythonやRuby、PHPもサポートします。
基本的に、メッセージはすべて英語です。また、日本語のフォルダを表示したり、アプリケーションの実行結果、日本語のログがコンソールに出力される場合、文字化けします。文字化け対策については、下記のコラムをご覧ください。
IntelliJ IDEAを日本語環境で利用すると、ビルドメッセージや、フォルダに日本語が含まれる場合文字化けしてしまいます(図5)。
これは、IntelliJ IDEAのデフォルトのフォントが英文字しか使えないフォントに設定されているためです。このフォントの設定をMSゴシックなどの日本語が利用できるフォントに変更すると、文字化けを解消できます。
設定は、メニューの[File]→[Settings](図6)から設定画面を表示し(図7)、[Font]の項目を編集します。
上記の設定を行うと、図5の文字化けは図8のように解決されます。
Community Editionでは、JavaによるWebアプリケーションを開発する際に必須といえるJava EEやSpring、Hibernateなどのフレームワークのサポートや、アプリケーションサーバのサポートがありません。Javaによる開発はWebアプリケーションが多いので、Webアプリケーション開発において、機能が明らかに不十分です。
これらの機能を利用するには、有償版であるUltimate Editionが必要となります。本格的な機能が欲しい場合は、Ultimate Editionを購入すれば問題は解決します。
Ultimate Editionでは、言語サポートについては、Java/Groovy以外にも、RubyやPython、PHPのサポートが追加されます。フレームワークは、StrutsやSpring、Hibernate、JSF以外にもTapestryやGWT、JBoss Seam、さらにはGoogle App Engineのサポートも追加され、Java MEやAndroidの開発もサポートし、非常に機能豊富なものとなります。
Community EditionとUltimate Editionの詳細な比較は、下記のサイトをご覧ください。
IntelliJ IDEAがオープンソース化されたことにより、IntelliJ IDEAユーザーがプラグインを開発しやすくなりました。また、現在は、英語でしかメッセージが表示できませんが、今後、有志による日本語化が進む可能性もありますし、不足したJava EE対応機能も有志により無償提供される可能性があります。
また、IntelliJ IDEAに実装された機能が、ほかのIDEにも移植される可能性も増え、オープンソース統合開発環境のさらなる発展が期待できます。IntelliJ IDEAの開発者は競合が増えるのはむしろ喜ばしいことだと、肯定的な見解を示しているようですし、IntelliJ IDEAの今後の発展に期待したいと思います。
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