「ダメな自分」のイメージを変える4つのポイント理系学生のための「就活」お悩み相談室(8)(2/2 ページ)

» 2010年09月16日 00時00分 公開
[松浦慶子@IT]
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2. 「絶対できない」という思い込みを捨てる

 「要領が悪い」「対人が苦手」「手先が不器用」「数字が苦手」……誰しも1つや2つの苦手意識はあるものです。「できない」「またしかられる」といったマイナスの意識が消えない人は、認知療法でいうところの「ゼロか100かの思考」に陥っている可能性があります。

 ですが、実際の物事で「できるか」「できないか」どちらかだけ、ということは案外ないものです。苦手意識があることについては、「絶対できない」という思い込みを捨てて、「前よりできるようになっている」と意識を変えてみてはいかがでしょうか。自信が持てないことについても、「初めての体験だったから」とか「前の失敗を生かして、いまならできることがある」と考えられるようになります。

3. できないことを掘り下げない

 「できないことに集中した反省や自己分析をして、ただひたすら落ち込んだ」という経験はありませんか。認知療法では、これを「マイナス拡大メガネ」と呼んでいます。

 それよりは、少しでも好きなことやできることに注目して、プラスの自己イメージを持つようにしましょう。幼いころから得意だったこと、いま気になっていることなどに取り組むといいでしょう。できないことばかりに意識が向かっていたことに気付くといいと思います。自分が「できること」にも平等に注目してみましょう。

4. 「できること」と「できないこと」を分ける

 仮に、あなたは接客が苦手だとします。その中の何が苦手なのでしょうか。すべてではないはずです。大ざっぱに「自分はできない」とひとくくりにしていませんか。「接客」という1つの仕事の中で「できていること」と「できていないこと」を、明確にしましょう。接客の中でも、あいさつはできる、片づけは得意、でも笑顔で商品を説明することは苦手、など整理してみることです。すると、次に何に気を付ければいいかが、具体的に見えてくるはずです。

 心理面と思考面を整えると、行動への意欲が喚起されます。「絶対できない」という根拠のない思い込みを捨てて、少しでも楽しいと思えることから何でも取り組んでみてください。その体験は「自分ってこんなこともできるんだ」と自己イメージを変え、自信へと変化するでしょう。何に取り組めばよいか整理できたところで、次回は、自己イメージを変容させる「行動編」をお届けします。

筆者プロフィール

ピースマインド

松浦 慶子

ピースマインド


臨床心理士・日本カウンセリング学会認定カウンセラー。

国際基督教大学心理学科卒業、筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了 。大学、専門学校での学生相談や講師、精神科睡眠障害外来での医療相談、EAP機関・ピースマインドにて社員や家族のカウンセリングなど、幅広く相談活動を行っている。



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