1人で仕事をしているプログラマ時代は、ばりばり仕事がこなせたのに、PMになった途端に仕事がうまく進まない! そんな新任PMの悩みを解決するTipsを紹介します。
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プロジェクトを管理するプロジェクトマネージャ(PM)は、何かにつけ苦労する立場にあります。
「メンバーにガミガミ言うことに疲れた」「いくらチームに必要とはいえ、この役割はつらい」「ぶっちゃけプログラマの方が良かった」……このような声をPMからよく聞きます。
しかし、ここでいま一度思い出してみてください。形はさまざまあれど、PMは理想とする「管理」の姿を持っているはず。そして、それは決して「ガミガミ言うこと」ではなかったと思います。
「そんなこと言ったって、メンバーがきちんと動いてくれないから仕方ない」?
確かにその反論には一理あります。しかし、そういうPM自身は、「管理」という仕事にどのようなイメージを抱いているのでしょうか? あなたのプロジェクト管理がうまくいかないなら、そろそろ「管理」そのもののイメージを修正する時が来ているのかもしれません。
これまで3回(参考:連載インデックス)にわたって、新任PMがはまりがちな失敗例とその対策を紹介してきました。今回は「まとめ」編として、プロジェクトを「管理すること」そのものについて考察します。
管理とは、ルールをがちがちに決めて管理者の思い通りにすることではありません。「だけど、そうでもしないとメンバーとプロジェクトをうまく管理できない」とお悩みのPMのために、仕事が遅れるメンバーを下記の3タイプに分類し、対処法を併せて紹介します。
PMにとっての大きな悩みの種が「メンバーがなかなか思うように動いてくれない」ことです。
「計画的にやれ」と言っても実行してくれないメンバー、「問題ないです」と言いながら仕事が遅れるメンバー、「進捗(しんちょく)率は90%」と報告しながらそこから先に全然進んでくれないメンバー……。「ちゃんと計画的に仕事を進めてほしい」「仕事に関わる問題や状況の変化はすべてきちんと報告してほしい」と、PMがいら立つのは当然です。
しかし、自分のメンバー時代を思い出してみてください。すべてをきちんとこなせていたでしょうか? 仕事の進め方や報告の仕方を最初から完璧にできるメンバーはほとんどいません。
私は5年前から「タイムマネジメント」を専門に、執筆や講師、コンサルティングなどを行っていますが、以前はとあるメーカーでエンジニアとして働いていました。仕事は怒涛(どとう)の忙しさ、残業しても残業してもノルマに追い付かない……そんな悲惨な状況を改善しようとタイムマネジメントを研究し始めたのが、今の仕事のきっかけでした。つまり、私自身「計画的にやる」ことが得意でなく、この短所を補うためにタイムマネジメントを行うようになったのです。
タイムマネジメントのプロとして、これまでいろいろな立場の人とタイムマネジメントについて話してきた中でつくづく実感しました――仕事を「計画的に」進めることが苦手な人は、実はとても多い。
仕事をうまく進めているように見える人でも、ヒアリングしてみると「全然そんなことはない」という実体が浮かび上がってきます。失敗した部分は残業でカバーしているから顕在化しないだけ? その通り。
経験豊富なベテランや管理職だから仕事の進め方がうまい……なんてこともありません。彼らは経験値やノウハウによって失敗を補っています。
仕事の進め方が完ぺき、あるいはとてもうまい人など、ほとんどいないのです。PMはまず、そのことをしっかり肝に銘じておきましょう。そうすれば、メンバーに高望みして失望することはなくなります。
さて、ここで「管理」という言葉そのものに着目してみましょう。「管理」という言葉にはあまり良くないイメージを持つPMは案外、多いです。一般的に「管理」というと、下記のようなネガティブなイメージがあるからではないでしょうか。
しかし、「管理する(manage)」という言葉には、もともと「やりくりする」といった意味もあります。
PMとメンバーがお互いの欠点を補い合ってプロジェクトを進めていく、これも1つの「管理」です。本連載で述べてきたことはすべて、「欠点を補う」という考え方に基づいています。
◎「計画的にやれ」と正論でお説教するのではなく……
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