MDT 2010でWindows 7を無人インストールする(後編)無償ツールでWindows 7の大量導入を大幅に省力化(3/6 ページ)

» 2011年12月22日 00時00分 公開
[打越浩幸デジタルアドバンテージ]

 MDT 2010を使えば、OSをインストールするだけでなく、さまざまなアプリケーションやパッチ、デバイス・ドライバなども追加でインストールできる。ユーザー独自のカスタム・アプリケーションも、サイレント・インストール(GUIでの問い合わせを行わないインストール形式)に対応していれば追加可能である。

 今回は例として、「Word Viewer」と「Excel Viewer」を追加でインストールさせてみよう。ただし以下のWord ViewerだけではOffice 2007などの新しい.docxファイルが表示できないので、追加で「互換機能パック」もインストールする。これらのプログラムは、「/quiet」オプションを付けるとサイレント・インストールできる。また「/norestart」オプションを指定すれば再起動を抑制できる。インストール後に自動的に再起動するインストーラもあるが、これは問題を起こすことがあるので再起動させないこと(再起動後、共有フォルダなどに接続できなくなり、インストールが続行できなくなったりする)。再起動が必要ならMDT 2010の持つ再起動機能(登録したアプリケーションのプロパティで設定可能)を利用する。

 こうしたアプリケーションを追加インストールするには、MDT 2010の管理ツールで[Applications]を右クリックし、ポップアップ・メニューから[New Application]を選択する。

アプリケーションの追加
Windows OSのインストールだけでなく、追加でアプリケーションもインストールできる。
  (1)これを右クリックする。
  (2)これを選択する。

 ウィザードの最初の画面では[Application with source files]を選択する。

アプリケーション・タイプの指定
どのようなアプリケーションをインストールするかを指定する。
  (1)インストーラを起動してインストールするタイプのアプリケーション。展開用共有フォルダにファイルの実体がコピーされ、そこからインストールされる。
  (2)UNCパスの先にあるアプリケーションのように、展開用共有フォルダにファイルをコピーする必要がないアプリケーション。指定されたUNCパスから直接起動される。
  (3)アプリケーションの依存関係を定義するだけの特別なタイプ。

 次の画面ではインストールするアプリケーションの名前を指定するが、この名前はターゲット・コンピュータのインストール時に表示されるので、分かりやすいものにしておく。

アプリケーションの属性の定義
アプリケーションの名前や発行者、バージョン番号などを定義する。
  (1)これは必須。この名前がターゲット・コンピュータへのインストール時に表示される。

 次の画面では、インストールするアプリケーションが含まれる「フォルダ」を指定する(単独の.exeなどのファイルではない)。ターゲット・コンピュータからは、このフォルダの内容全体が見えるようにセットアップされ、インストーラが起動される。今回の例では、3つのアプリケーション(ダウンロードした.exeファイル)に対してそれぞれ異なるフォルダを作成しておき、3つのアプリケーションを個別にアプリケーション登録する。

アプリケーション・ソースの指定
アプリケーションの場所を指定する。
  (1)アプリケーションの含まれている「フォルダ」を指定する。インストーラ・プログラムそのものではない。
  (2)展開用共有フォルダへ「コピー」するのではなく、「移動」してもよい場合はこれを選択する。

 次の画面ではインストーラを起動するコマンドを指定する。例えばWord Viewerなら「wordview_ja-jp.exe /quiet /norestart」と指定すると、サイレント・インストールできる。

インストーラの起動コマンドの登録
どうやって起動するかを指定する。.msiファイルではmsiexecを使う必要がある。
  (1)起動コマンドの指定。サイレント・インストールできるようなオプションを指定すること。
  (2)保存先フォルダ。リモートのサーバ上にこのようなフォルダ(実際にはMDT 2010の展開用共有フォルダの中にある)が作成される。

 以上でウィザードの入力項目は終了である。同様にして、Excel Viewerと互換機能パックも追加登録する。結果は次のようになっているはずである。

登録されたアプリケーション
ここでは3つのアプリケーションを登録している。
  (1)アプリケーションの一覧。これらのアプリケーションを実際に使うかどうかは、ターゲット・コンピュータ上でインストールを行うときに決めることができる。どの順で実行されるかは不定。必要ならそれぞれのアプリケーションのプロパティ画面で、依存関係を設定すること。

 なおこの例では3つのアプリケーションはどの順番でインストールしても構わないが、依存関係があるようなアプリケーションの場合は、それぞれのプロパティ画面を開いて、「Dependencies(依存関係)」を追加で定義しておく。

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