Windows OSをインストールすると、「C:\Windows.old」や「C:\$Windows.~BT」のような一時フォルダーが作られていることがある。これらを削除しようとしても、アクセス権の問題などで拒否されたり、全部削除できなかったりする。これらを全て削除するには?
対象OS:Windows 8/Windows 8.1/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2
既にWindows OSをインストールしてある既存のボリューム上に新しくWindows OSをインストールしたり、既存OSからアップデートしたりすると(例:Windows 8からWindows 8.1にする)、もともとあったWindowsシステム(C:\Windows)やプログラム(C:\Program Files)、データ(C:\ProgramData)、ユーザー(C:\Users)などのフォルダは、「C:\Windows.old」というフォルダが作成され、その中に移動される。またWindows 8の「PCのリフレッシュ」や「PCのリセット」などを使ってPCの状態を元に戻した場合もこのフォルダが作られる。
インストール形態にもよるが、このフォルダのサイズは数GBにもなることがあり、ディスク領域を圧迫している。システムのアップデート作業が終わって必要なファイルなどを取り出した後は、さっさと削除してしまいたいところだ。
システムによっては「C:\$Windows.~BT」というフォルダも存在していることがある(隠し属性が付いていて、エクスプローラーに表示されないことが多い)。これはWindows OSのアップデート用のプログラムが保存されていたフォルダだ。本来は自動的に消去されるはずだが、もし残っていたら、アップデート作業の完了後にこれも削除しておきたい。
これらの不要なフォルダを削除するには、エクスプローラーでフォルダを選んで[削除]ボタンをクリックするか、コマンドプロンプトを開いて「rmdir /s /q C:\Windows.old」のようなコマンドを実行するのが普通だろう。だがこの中に含まれるファイルやフォルダには特殊なアクセス権属性などが付いていて、たとえ管理者権限を持つユーザーであってもアクセス拒否エラーが発生して削除できないことが多い。
本TIPSでは、これらの特別なフォルダを削除する方法を紹介する。
「C:\Windows.old」や「C:\$Windows.~BT」だけに限らず、特殊なアクセス権や所有者情報などを持つファイルやフォルダを確実に削除するには幾つか方法がある。
GUI操作で特殊なフォルダを削除するには「ディスク クリーンアップ」ツールを使うとよい。それには[コントロール パネル]で[システムとセキュリティ]グループを開き、[管理ツール]の下にある[ディスク領域の解放]というリンクをクリックする。あるいは、Windows 8/Windows Server 2012以降なら検索チャームで「削除」や「クリーンアップ」を探し、「不要なファイルの削除によるディスク領域の解放」というツールを起動する。直接起動するなら[ファイル名を指定して実行]コマンドで「cleanmgr」というプログラムを起動してもよい。
「ディスク クリーンアップ」ツールが起動したら、(1)の[システム ファイルのクリーン アップ]というリンクをクリックする。すると次のような画面に変わる。
幾つか項目があるが、「以前の Windows のインストール」という項目が「C:\Windows.old」に相当し、「一時 Windows インストール ファイル」という項目が「C:\$Windows.~BT」に相当する。それぞれのチェックボックスをオンにして[OK]をクリックすると、それらのフォルダが削除される。
上の方法では「C:\Windows.old」と「C:\$Windows.~BT」という2つのフォルダだけを削除したが、それ以外のファイルやフォルダなどを削除したいこともあるだろう。例えば使用中のファイルやアクセス権が厳密に設定されているようなファイルなどを削除したい場合だ(TIPS「使用中のファイルをmovefileコマンドで次回起動時に削除する」も参照)。アクセス拒否エラーを回避しつつ任意のフォルダを削除したいなら、「Windows回復環境(Windows RE)」のコマンドプロンプトを起動して、そこでrmdirコマンドなどを使って削除するとよい。
Windows回復環境を起動するには幾つか方法がある。
いずれの方法でも、青い「オプションの選択」画面が表示されたら、「トラブルシューティング」−「詳細オプション」−「コマンドプロンプト」を起動する。
コマンドプロンプトが起動したら、diskpartコマンドなどでWindows OSのドライブを調べる(TIPS「Windows PEでドライブ名の割り当てを確認する」参照)。元のC:ドライブは、Windows回復環境ではD:ドライブになっていることが多い。
目的のドライブに移動したらdirコマンドで内容を確認後、「rmdir /s /q <フォルダ名>」などを実行して対象フォルダを削除する(引数無しでrmdirを実行するとヘルプを確認できる)。このとき、誤って現行のシステムフォルダなどを削除しないように十分注意すること。
全ての作業が終了したら、exitコマンドでWindows回復環境を終了する。
元のWindows OSではなく、Windows PEを使ってシステムを起動して対象となるフォルダを削除してもよいだろう。Windows PEとは、トラブルシューティング作業などに利用できる、Windows OSベースの軽量OSである。上で使ったWindows回復環境はこのWindows PEをベースにしている。Windows PEの起動用メディアの作成方法については次の記事を参照していただきたい。Windows PEが起動すれば、後は同じように操作する。
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