アプリケーションの配布を行う場合、Webサイトでダウンロードできるように公開したり、アプリケーションの配布サイトに登録したりするなど、基本的には、ダウンロードして取得できるようにすればOKです。
また、AppStoreやWindows Storeなどの公式の配布サイトに登録する手もあります。モジュールの場合、どのようにして、利用者に配布すればよいでしょうか。
業務で開発しており、一般には公開しないモジュールの場合、ローカルリポジトリを作成してモジュールの管理を行うことになります。この場合、社内のプライベートLAN上にローカルリポジトリを作成し、モジュールを利用することになります。
作成したモジュールが一般公開可能な場合は、各ツールで利用できる標準のリポジトリへ登録できます。
標準リポジトリへ登録すれば、Webサイトからダウンロードしたり、個人のリポジトリを追加したりするなどの作業をする必要なく、デフォルトの設定のままでコマンド一つでインストールできるようになります。利便性も格段に向上し、各個人サイトでのリリースに比べ、多くのユーザーに利用してもらえます。
アップロードのためのアカウント作成や公開手続きに多少手間が掛かりますが、標準リポジトリで公開できるものは、公開してしまった方がよいでしょう。表2に各標準リポジトリ一覧を掲載します。
言語 | 公式リポジトリ |
---|---|
Java(Maven/IVY) | Maven Central |
Perl | CPAN |
Python | PyPI(the Python Package Index) |
Ruby(gem/bundler) | RubyGems.org |
PHP | Packagist |
.NET(NuGet) | nuget gallary |
JavaScritpt(npm) | npm-registory |
JavaScritpt(Bower) | Bower |
Objectvie-C | CocoaPods |
分散バージョン管理ツール「Git」のリポジトリサービスの「GitHub」を利用してパッケージを公開するケースも最近増えてきています。上記のリポジトリサービスへ登録する場合は、登録作業が必要になりますが、GitHubを利用すれば、手軽に自前のパッケージ・モジュールをアップロードできます。
また、GitHubには、バグや機能追加の要望などを管理するIssue機能があったり、リポジトリをフォークしてフォークしたリポジトリ上で行ったバグ修正や機能追加をフォーク元にフィードバックできるなど、開発の活性化にもつなげることができます。
今回紹介したツールの中で、NuGet、Copmoser以外のツールはGitHub上のパッケージを直接扱えます。Composerについては、GitHubで公開したライブラリをPackageに登録すれば利用できます。
アプリケーションのインストーラー、パッケージ、ランタイムから、開発時に必要なモジュール管理について、紹介してきました。皆さんがお使いのOSや開発でご利用の言語の仕組みについては、理解されていると思いますが、利用していないOSや言語について比べてみると、面白い点が出てくるかもしれません。また、使いたいツールが自分の知らない言語で作られていて、インストールの仕方が分からない場合も役立つと思います。
モジュールの管理については、ある言語のモジュール管理の仕組みを覚えれば、他の言語の場合でも細かいところは違えど、大枠は同じなので、モジュール管理を行うツールをまだお使いでない方は、ぜひ使ってみることをお勧めします。
本稿では概要のみ紹介しました。個々のツールについては、本文で紹介したそれぞれの関連記事やサイトなどをご参照いただければと思います。
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