「IT技術にわくわくした瞬間や出来事を教えてください(時期は問いません)」という質問に対しては、約1400件のフリー回答をいただいた。
「新しい技術に触れた時」「初めて作ったプログラムが動いた時」「初めてインターネットでWebやメールをした時」「難しいデバッグができた時」「技術を利用し、業務の効率化やコスト削減を行い、ユーザーから感謝された瞬間」「開発した製品が世に出る時」「初めてパソコンに触れた時」といった自身の体験に基づくものが多かった。
また「Ajax」「Android」「iPhone」「iPad」「スマートフォン」「AR」「HTML5」「Java」「.NET」「Ruby on Rails」「Windows 95」「仮想化技術」「クラウド」「UNIX」など具体的な技術名を挙げる回答も多く見られた。一斉を風靡した/しているものが多く、こういった結果からIT技術革新の歴史をあらためて確認できる。
以下、いくつか引用しよう。
iPod touchを初めて触った時。ハードウェアとしては単なるタッチスクリーンなのに、ソフトウェアの力で何とも言えない触り心地を実現していて、「感触」というのは物理的な形状への接触だけではないと思った。
グーグルの会社見学に行って、グラスや自動運転の技術を見た時。近い将来、ITの力でいろいろなことができるようになると思った。
ASP(Application Service Provider)のことを聞いた時。今は「クラウド」となったようだが、目指しているところはASPのころと変わっていないように思う。
センサー類を駆使し、処理、判断し、アクションを起こすような、それまで世の中になかったロボットを初めて見た時。それがたとえ高額であっても、またその時あまり役に立ちそうにないものであっても、今後開発が進んでさらに進化・変化していくであろうことを想像すると、素直にわくわくする。
Suicaが一秒以下でデータのやりとりを終える時。
アクティビティの仕組み。薬や植物は摂取するものなので、分量や効果、効能が人それぞれ違い、結果が出るかどうかは時間がかかるが、機械は、構造やプログラムの規則が決まっていてすぐに結果が出る。
東日本大震災時に関係者の安否が確認できた時。
Javaの冗長な記述が煩わしいと思っていたころにScalaを知り、「関数型言語」というものに衝撃を受けました。その半面、「コードの記述は、他の言語を知っていれば分かる」というものではないことも衝撃でしたが、同時にわくわくもしました。
IT技術に(意外と!?)ヨガの精神や空手の型などの話が出てくる時。
安価なタブレット端末の登場。型にはまったようなインターフェースから直感的かつ汎用的なインターフェースへの進化が始まると感じた。この機能をどのように使っていけばパフォーマンスが最大になるのか、今までは導入が難しかった業務に対してのアプローチもできるのではないかと考えている。従来の考え方から完全に抜け出せるような気がしている。
ペーパー型の液晶など、世界を変えてしまうような技術を目にした時。
音声・動画のライブストリーミング。海外のニュース番組などを生で見聞きできるようになったことは、世界の最新情報へのアクセス速度を格段に上げてくれた(日本国内の既存商業放送局がこれを始めた時には、エリアの縛りなど、その不便性から逆にがっかりした)。
十数年前、まだLinuxが一般的ではなかったころに、Linux+Apache+PHP+MySQLの環境(いわゆるLAMP)の試作をしました。WebサーバーとDBサーバーの接続が成功した瞬間に、それまでの汎用機のDBとWindowsクライアントとの接続をODBCでやっていた時代が終わる、と感じました。
初めてクライアントサーバー型のシステムを構築した時(Visual Studio 97だったと思います)。Visual Studioのような統合IDE環境下での開発は、その完成度の高さに驚きました。それまでは、viエディターでコーディングを実施していましたから。
小さな感動は日々あります。思ったように動かないプログラムの欠陥の修正ができた時は、意味もなく改善された部分を何度も操作してしまいます。サーバーの構築なども同じで、動作しない原因を取り除けると「面白い!」と感じます。
映画『トランスフォーマー』を見た時、CG技術の高さに感動した。
昔メジャーではない技術について構築していた時期があった。英語文献を調査し推測を立て構築し実現していく過程に苦労したが、とても楽しい経験であった。また、ニッチな技術であるため、調べた情報を基にした情報をノウハウサイトに公開したことも良い思い出。
中学生の時にWindows 95が発売されてニュースになり、それに触発されて高校入学でパソコンを親に買ってもらったこと。インターネットが普及し始め、テレホーダイでホームページを作ったりチャットしまくっていました。
入社3年目で初めてスマートフォンを購入した際、オンラインストレージの利用を通じて、言葉では知っていた「クラウド」を実感した。EvernoteやDropboxでの法人利用など、今後のビジネスでの活用や顧客提案の可能性を感じ、わくわくした。
幼稚園生のころ、初めてパソコンに触れた時。単純にネット接続するだけでワクワクしていた。
「“次世代テクノロジ”群の中で興味があるものを全てお選びください(複数回答・必須)」という質問に対しては、「ウェアラブル」「3Dプリンター」とこれから流行しそうなものに注目が集まり、次に「クラウド」「スマホアプリ開発」という現在でも活用可能なものが挙げられた。
その他の回答としては、約50件集まり、「電力の使用状況をつぶさに測ることのできるデバイスと、それらを管理・制御するITサービス」「CUDAを用いたGPGPU」「純国産OSの開発・進化」「人口機能の有する介護機器(義足など)」「OpenStack」「ARでインターフェースを表示し、手や指のモーションを検出して操作する」「NFS対応端末の普及」「ハイレゾAudioフォーマットDSDデータの編集ソフト開発」「オミックス医療用データベースシステム」「画像認識」「GPS位置管理」「SDN」「既存の紙ベースでの情報の電子化と将来の運用」」「電脳」「量子コンピュータ」「プロジェクト管理の見える化」「特殊理論」」「はやぶさ2」「プロジェクションマッピング」「3D投影技術。空間上に立体的な投影を手軽にできる」「データを活用した経営」「生体情報の電子化」など、より具体的なものが挙げられた。
また「あなたや、あなたの周辺では、前述のような次世代テクノロジについて学習・研究を始めていますか(または興味がありますか)」という質問に対しては、「今後学習・研究してみたい」という回答が半数を超え、すでに「個人的に学習・研究中」している人が4割弱と、次世代技術への関心度は高い。
いずれの質問も、年齢、性別、業種、就労形態を問わず、同様の結果となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.