MuninはMuninコミュニティが開発を行っているシステム監視ソフトウェアだ。リソース使用状況をモニタリングすることに特化した製品で、本来、システム監視ソフトウェアが持つべき障害や閾値検知機能は他製品に比べてあまり充実していない。
ライセンスはGPL v2となっており、全ての機能を無償で利用可能。2004年7月にVer1.0.0が公開され、2012年5月のVer2.0.0で懸案であったリソース使用量・性能の大幅改善が行われた。現在の最新版は2014年4月22日にリリースされたVer 2.0.21となっている。
MuninはPerlで開発されており、リソース使用状況を収集してグラフ化を行う「Master」と、各サーバーのリソース使用状況を収集しMasterに送信する「node」で構成されている。tarファイルをダウンロードしてビルド・インストールを行う場合はPerl (ver5.8)以上が必須だ。
MasterはFreeBSD/Linux/Solarisで動作させることができる。RHEL/Debian系LinuxではEPELのリポジトリを追加することで、yum/aptコマンドでのインストールも可能。
nodeは前述のFreeBSD/Linuxに加えて、AIX/HP-UX/Solaris/Mac OS X/Windowsも利用可能。nodeのインストールが行えない機材の監視はSNMPを利用して行う。Masterサーバーにnodeもインストールし、そこにSNMP プラグインをインストールすることとでMaster→ローカルnode→SNMP対応機器という少し複雑な構成になる。
サーバーリソースの監視は、nodeがサーバー内部のリソース分析を行うため、標準設定でも詳細な情報を取得できる。さらに、プレインストールされたプラグインを有効化することで、各種プロダクト、サービス単体での詳細な情報を取得することができる。
プラグインはカスタマイズ、自作も可能で、プラグインのカスタマイズ方法やプレインストールにないプロダクトのプラグインの作成方法がブログなどで多数公開されている。
MasterサーバーにRDBとしてMySQLを利用することで、収集したリソース使用状況のデータを保存することが可能となる。ただし、監視対象nodeが増えるとMasterサーバーの負荷が上がりやすく、あまり多くのnodeを持っている環境には不向きだと考えられる。
国内外での個人の利用者が多く、ブログなどでの情報は充実しているが、日本国内でのベンダーによる商用サポートは2014年9月現在、まだ行われていないようだ。
システム監視ソフトウェアではなく、あくまでリソース使用状況をグラフィカルに監視するユーティリティ的な製品と考えられる。情報取得の細かい設定が行えるため、問題発生時の調査情報の取得にはかなり有効な製品といえる。
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