会議室のテレビにWindows OSの画面を映してプレゼンテーションしたい。でもケーブルをつなぐのはスマートではない。こんなとき、テレビにChromecastを接続し、Windows OSにGoogle Chromeをインストールすれば、画面をWi-Fi経由でテレビに表示できるようになる。
対象デバイス:Chromecast
以前は会議室にプロジェクターが置かれていたものだが、最近では液晶テレビを置く会社が増えてきたようだ。ただ最近のノートPCやタブレットPCは、薄く軽量になった代わりに搭載されているインターフェース類が限られており、液晶テレビに接続するためのHDMIを搭載していなかったり、小型のミニHDMIだったりと、簡単に液晶テレビに接続できない。またスマートフォン(スマホ)の画面を表示して情報共有を行いたいような場合もあるだろう。iOS(iPhoneやiPadなど)ならば「Windowsネットワーク管理者のためのiPhone/iPod touch入門 第17回 iPhoneの画面をApple TVでテレビに表示する」、Windows OSでも「Windows OSの画面をApple TV経由でテレビに表示する」で紹介したようにApple TVを利用することで、簡単に液晶テレビに画面を映すことが可能だ。
グーグルが販売を開始したChromecast(税別:4200円)を利用することでも、画面をテレビに表示できる。ただし、Chromecastは原稿執筆時点では、iOSはストリーミングのテレビへ表示はサポートしているものの、画面全体の表示はサポートしていない。そのため、画面が表示できるのはAndroid OSとWindows OS、OS X(Mac)、Chromebookに限られる。本稿では、Chromecastを使って画面をテレビに表示する方法を紹介する。
まずChromecast本体を設定する。ChromecastをテレビのHDMI端子に差し、USBケーブルで電源を供給する。テレビにUSBコネクターがある場合は、そこに差せば配線はシンプルになる。テレビの電源を入れて、テレビの入力切替でChromecastを差したHDMI端子を指定すれば、Chromecastの画面が表示される。
スマートフォン(iOS、Android)なら専用のChromecastアプリ(後述)をインストールしておけば自動的にChromecastを検出して設定が行える。パソコンの場合はGoogle Chromeを起動し、画面の指示に従ってGoogle Chromeで「chromecast.com/setup」を開くと、自動的に「chromecastinstaller.exe」がダウンロードされるので、これを実行する。あとは画面の指示に従って、無線LANのSSIDとパスワードなどを入力すれば設定は完了する。
これでパソコンやスマホで再生しているYouTubeやGoogle Playなどのストリーミングビデオをテレビの大きな画面に表示することができる。以下、画面のミラーリングをする(画面をキャストする)方法を説明していく。
Windows OSでChromecastを経由して画面をテレビに表示させるには、Google Chromeで以下のURLを開き、拡張機能の「Google Cast」を追加する。
Google Chromeに拡張機能「Google Cast」を追加すると、アドレスバーの右にGoogle Castのアイコンが追加される。このアイコンをクリックし、キャストしたいChromecastを選択すると、表示しているタブ(デフォルト)をテレビに表示できる。なお、Chromecastの初期設定済みなのにも関わらず、ここにChromecastの名前が表示されない場合は、「デバイスとコンテンツの検索」(Windows 8.1の場合)などを有効にすればよい。
デフォルトではGoogle Chromeのタブ内のみが表示されるが、Windows OSのデスクトップ全体をキャストすることも可能だ。Google Castのアイコンをクリックし、次に表示されたメニューの右上の「▼」をクリックすると、「このタブをキャスト」「このタブをキャスト(オーディオに最適化)」「画面全体をキャスト(テスト)」の選択が可能になる。ここで「画面全体をキャスト(テスト)」を選択した後、表示先のChromecastを選択すればよい。Google Cast自体がベータ版な上、さらに「画面全体をキャスト」はテストとあるように、原稿執筆時点では開発途中バージョンとなった。画面表示の遅延が若干あるものの、不安定ということはなかった。
キャストを終了する場合は、同じくGoogle Castアイコンをクリックして、メニューから「キャストを停止」をクリックすればよい。
Android OSの場合、以下のURLを開いて、Chromecastアプリをインストールしておくと初期設定やキャストが楽に行える。なお画面全体のキャストが可能なのは、原稿執筆時点ではAndroid 4.4搭載のNexus 5、Nexus 7(2013)、Samsung Galaxy S4、Sony Xperia Z3などに限定される(対応端末については「Chromecastヘルプ:Chromecast アプリから Android 画面をキャストする」参照のこと)。その他のAndroid OSの場合、YouTubeやGoogle Play Movies、Google+フォトなどのChromecastに対応した一部アプリのみChromecastを経由してテレビに画面が表示できる。
Android端末をChromecastと同じWi-Fiネットワークに接続し、[設定]−[ディスプレイ]−[画面のキャスト]を開き、キャスト先のChromecastを選択すれば、画面全体をテレビに表示できる。
また、Chromecastアプリをインストールしている場合は、ナビゲーションドロワー(画面左上のメニューアイコンをタップして表示されるメニュー)から[画面のキャスト]をタップし、キャスト先のChromecastを選択してもよい。なお画面全体のキャストに対応していないAndroid OSの場合は、ナビゲーションドロワーに[画面のキャスト]は表示されないので注意したい。
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キャストを終了する場合は、Chromecastアプリを開き、ナビゲーションドロワーから[画面のキャスト]をタップし、[切断]ボタンを選択する。
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