エンタープライズ向け機能が充実してきたChefを使って高速かつ精度の高いサーバーインフラを構築/管理する方法について解説する連載。今回は、WordPressを手動でインストール手順や、Cookbookとは何か、Recipeとは何か、WordPressサーバー構築を例としたCookbook作成の進め方などについて解説します。
前回の「Knife-ZeroでCookbookの作成/実行/削除&git cloneコマンドでCookbookの取得」までで、Chefのインストールおよび開発環境・実行環境の構築が完了しました。
今回はChefのCookbookの作り方について解説していきます。前回に引き続き、以下の環境を使用しますが、ノードは新しいものを新たにセットアップしておいてください。
作るCookbookのお題は「WordPressサーバーの構築」で、条件は以下の通りとします。
上記条件に沿って、全手動でインストールすると、以下のようなイメージの手順が出来上がると思います。
yum install epel-release rpm -Uvh http://rpms.famillecollet.com/enterprise/remi-release-6.rpm
yum install httpd php php-mysql yum --enablerepo=remi install mysql-server
cd /usr/local/src wget https://ja.wordpress.org/wordpress-4.1.1-ja.tar.gz tar xvf wordpress-4.1.1-ja.tar.gz mv wordpress /var/www/wp.example.com chown -R apache:apache /var/www/wp.example.com/
vi /etc/httpd/conf/httpd.conf ※末尾に下記を追記 <VirtualHost *:80> ServerAdmin webmaster@wp.example.com DocumentRoot /var/www/wp.example.com ServerName wp.example.com ErrorLog logs/wp.example.com-error_log CustomLog logs/wp-example.com-access_log common </VirtualHost> /etc/init.d/httpd restart
/etc/init.d/mysqld start mysql -u root ?p create database wordpress; grant all privileges on wordpress.* to wordpress@localhost identified by '<パスワード>'; flush privileges; \q
この【1】〜【5】の手順がCookbook作成を進める方針の基になりますので、覚えておいてください。後ほど、説明します。
上記が完了したら「C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts」を管理者権限で起動したメモ帳で開き、末尾に以下の行を追記します。
<ノードのIPアドレス> wp.example.com
ブラウザーで「http://wp.example.com/」にアクセスします。以下の画面が表示されるはずですので、[さあ、始めましょう!]をクリックします。
前述の「【5】WordPress用MySQL設定」に沿って必要事項を入力します。
[インストールを実行]をクリックします。
WordPressのインストール画面になりますので、WordPress管理用の情報を入力し、[WordPressをインストール]をクリックします。
[ログイン]をクリックします。
先ほど入力したWordPress管理用のユーザー名とパスワードを入力し、ログインします。
WordPressの構築が成功したことが確認できました。
次ページからは、WordPressサーバー構築のCookbookの作り方を解説していきます。Chef独特の用語が多く、初めはとっつきにくいかもしれませんが、次第に慣れていけると思います。
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