本連載では、ゲーム開発環境「Unity」になじんだ筆者が、Unreal Engineの基本的な使い方を解説していく。初回は、Unreal Engineの概要と開発環境の構築法について。
Unreal Engine(以下、UE)とは、「Unity」と同じ土俵上にある「ゲームエンジン」と呼ばれる統合開発環境だ。Unityが、誰にでも親しみやすくハードルの低い開発環境だとすると、UEは玄人好みのする、少しハードルの高い開発環境といえるかもしれない。Unityよりもずっと以前から開発されていて、Unityとは一味違ったゲームを開発することができる。
以前は、1カ月19ドルのサブスクリプションによる有料ツールだったが、2015年3月3日(日本時間)に無料化された。ただし、「Unreal Engineで開発したゲームを販売する場合にのみ、5%のロイヤルティをいただきます」ということらしい。この無料化によって、今後UEのユーザーは増加するのではないだろうか。
筆者は今回の連載を書くに当たって、初めてUE4の開発環境を触ってみた。Unityゲーム開発の連載を執筆していたのもあり、「UE4もUnityと似たようなものだろう」と、安易に考えていた。しかし、実際に開発環境を構築して、いろいろな機能を試していくと、Unityとは別な世界観を持った開発環境であると感じた。
本連載では、Unityでの開発になじんだ筆者が、UEの基本的な使い方を解説していく。「今までUnityしか使ってこなかったけど、無料になったしUEも使ってみるか」という方にぜひ参考にしてほしい。
まずは、UEの特徴を紹介しよう。
Unreal EngineはiOS、Android、HTML5+WebGL、Linux、Mac、Windows、Xbox、PlayStation、Wiiなどに対応している。また、Oculus VRやLeap Motionのサポートも実現している(※Leap Motionのプラグインは、GitHubにあるエンジンをビルドしたもののみで利用可能)。
Unityの「アセットストア」と同様に、Unreal Engineでも「マーケット」でアセットを売買することができる。無料のアセットも存在する。
UEはエピックゲームズ社が開発しているが、GitHubからそのソースコードを取得することができる。これにより、UEのエディターなどをカスタマイズ/拡張することも可能だ。
また、今後の開発ロードマップもTrello上に公開されている。ソースコードなどの扱いについては、FAQを確認してほしい。
コードを一切記述することなく、「ブループリント」という機能を使って、部品や、キャラクターを動かすことができる。「ブループリント」については、本連載で今後詳しく紹介するが、全くの「ビジュアル言語」で、コードが一切出てこないことに驚いた。
また、C++で開発することもできる。「コードビュー」機能を使えば、ゲームオブジェクトにあるC++の関数を直接確認でき、Visual Studioで変更を加えることも可能だ。
UE4にはWindows版とMac版が用意されている。Windows版の場合は、Windows 7以降の64ビット版対応。Mac版の場合は、OS X 10.9.2以降が対象となっている。
また推奨スペックとしては、IntelまたはAMDの2.5GHz以上のCPU、メモリ8GB以上、DirectX 11以降となっている。
その他の機能については、下記ページを参照してほしい。
以降、開発環境の登録方法からインストール、プロジェクトの作成までを解説しよう。まずは「アカウントの登録」からだ。
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