なぜ「疲れた」と言ってはいけないのか〜山崎元流 疲れ対策三選経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」(15)(2/3 ページ)

» 2015年07月06日 05時00分 公開
[山崎元@IT]

「疲れる」と印象が悪くなる

 第二の問題は、疲れると見た目の印象が悪くなる場合があることだ。

 外部の人と接する仕事をされている方は、「見た目」「言葉遣い」「声のトーン」などがどれほど成果に影響するかをご存じだろう。

 客先に行く仕事があるときは、自分がどのくらい疲れているかセルフチェックを行い、「疲れている」と自覚したら、意識的に気分を整える処置が必要だ。

「疲れた」は伝染する

 疲れていると、いらいらしたり、相手の気持ちに気が回らなくなったりするので、対社外、対社内両方での人間関係のパフォーマンスが落ちやすい。「疲れた人」は本人ばかりでなく、職場の同僚にも良くない影響を及ぼす

 頑張っていることのアピールか、失敗や不出来に対するあらかじめの言い訳か、あるいは単なる癖なのか、「疲れた」とことさらに口に出す人がいる。同僚としても、家族や友人としても、一緒に居たくない困った存在だ。こうした発言には疲れを他人に伝染する効果があり、迷惑である。

 組織のマネジャーは、「誰しも疲れることはあるが、『疲れた』と口に出すと、周りにも疲れが伝染するし、自分も疲れが増す。だからこの職場では、『疲れた』は禁句にしましょう」と部下たちに伝えておくとよいと思う。

 しかし、マネジャー自身が「疲れた」を連発する人である場合も多い。職場というものは難しい。

三つの「疲れ」対策

 では、不本意ながらも疲れてしまったときはどうしたらいいのか。筆者が考えるに、対策は三つある。「睡眠」「リズム」「締め切り」だ。

疲れ対策の王道は「睡眠」

 身体の疲れも、頭の疲れも、良質の睡眠を十分取ることが最善の対策だ。個人差はあるが、4時間しか眠っていない頭と一気に7時間眠った頭とでは、パフォーマンスが大きく違うはずだ。

 長期的に睡眠を十分取れる生活時間マネジメントを行う必要があることはもちろんだが、納期がせまった開発現場にとっては難しいかもしれない。もしも今日中に締め切りのある仕事がないならば、とても疲れてしまったときは思い切って帰宅し睡眠を十分とって、明日の自分の冴えと集中力に賭ける方がいい。

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