ポートフォリオ型の発展系として、そのものずばり「エンジニアがコードを書く」ことをコアにしたサービスもあります。エンジニアの仕事においてコードを書くという行為はかなりの比重を占めますから、登場するのも必然だったこれらのサービスを「コーディング型」と分類して見ていきましょう。
CodeIQ
「CodeIQ」は、企業の現役エンジニアが出題したコーディング問題に挑戦すると、解答を個別に添削してくれるというサービスです。
エンジニアは自分のスキルを可視化したり、解答をポートフォリオにしたりできる。企業は「問題を解く」というカジュアルな行動を通じてエンジニアにアプローチし、スキルのマッチングを行える。エンジニアと企業双方に、「転職2.0」的な転職フローを提供するサービスです。
エンジニアには「コーディング問題を見るとつい解いてしまう」という習性があるため、純粋に娯楽や腕試しとしても楽しめます。しかも現役で活躍しているエンジニアが個別に添削してくれるため、スキルアップにも効果的。コーディング問題に挑戦していたら企業の目に止まってスカウトされることもある、という「エンジニアの楽しさ」を前面に押し出したサービスです。
paiza
「paiza」は、CodeIQの対抗馬としてオープンしたサービスです。各種のコーディング問題が掲載されているのは同様ですが、こちらは採点が自動化された問題がメインで、問題を解くとランクが上がるようになっています。
実はこの「ランク」が求人に直結していて、一定のランクに到達するまで「応募不可」の求人があるなど、ちょっと挑戦的なシステムです。
他にも「オンラインハッカソン」という連作の問題に挑戦できるイベントを開催したり、「paiza learning」という動画によるプログラミング学習コンテンツを用意していたりと、エンジニアが長居して楽しんだり勉強したりできる工夫がなされています。
「コーディング型」の現状
「paiza」はもともと求人を前面に押し出したサービスで、「企業が要求するランクに到達したエンジニアが求人に応募する」というフローがメインです。一方の「CodeIQ」は、2015年8月に「CodeIQ JOBS」というスキルを軸にした求人を検索・応募できるジョブボードサイトをオープンしました。問題を解いている転職潜在層のエンジニアだけではなく、転職顕在層のエンジニアにもより積極的にアプローチしていこう、という取り組みでしょうか。
どちらのサービスも、ややもすると「エンジニアに遊び場を提供しているだけ」になってしまう危惧があります。しかし、採用面接の際にコードテストをする企業も増えていますし、応募の際に「応募してきたエンジニアがどんなコードを書くのか」を把握できるのは、企業にとって大きなメリットです。
菌類は採用担当として、「コーディング型」の展開に注目しています。もちろん、エンジニアがコーディング問題で遊んでいるうちにスキルアップするのはソフトウエア開発業界全体にとってのメリットですので、こちらの効果も期待しています。
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