単身ベトナムに移住し、法人立ち上げ、現地エンジニア採用などに携わっているエンジニアの姿を通じて「グローバル」な働き方のノウハウや心構えなどをリポートする本連載。今回のテーマは「チームビルディング」。ベトナム人メンバーとのコミュニケーションの取り方や、スタッフレイヤーごとのマネジメントのポイントなどを紹介します。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
@IT自分戦略研究所はエンジニアの皆さんに、選択肢や可能性の幅を広げることで、より良いキャリア(※)をドライブしてもらいたい、と考えています。
具体的には、専門領域を縦横に広げる「フルスタック」、働き方の選択肢を広げる「ワークスタイル」、そして物理的範囲を広げる「グローバル」です。グローバルに打って出ること、グローバルな人々と協働すること、自身がグローバルな存在になることなどの可能性を、キャリアの選択肢に加えていただきたいと思います。
本連載は、2015年春よりベトナムに移住して現地法人立ち上げに携わっている、一人のエンジニアのリアルリポートです。筆者渡辺さんがベトナム支社立ち上げで経験したことや得た知識、グローバルな働き方についての考えなどを、現在進行形で皆さんと共有していきます。
前回は、ベトナム人エンジニアを採用する際に、実際に行った求人手段や、採用活動で分かった反省点や学びなどを紹介しました。今回は、マネジメントについてのお話です。言葉だけでは十分なコミュニケーションが取りにくいベトナム人メンバーたちとのチームビルディングを、業務内外でどのように行っているのか、紹介します。
※ 広義のキャリア。「仕事」というよりも「人生」に近いでしょう
こんにちは、インタレストマーケティングの渡辺です。
私がベトナムで現地法人を立ち上げてから約半年が経過しました。その間にエンジニアを中心に9人のメンバーを採用し、業務を開始しています。
今回は、初期メンバーと仕事を始めるに当たって、どのようにチームビルディング、マネジメントを行ってきたかをお話しします。
まず、大前提としてお伝えするのは「基本は万国共通」ということです。
ベトナムだからといって日本と全く異なる特別なマネジメント手法があるわけではありません。日本で行っている手法の多くは踏襲できますので、その基本が行えるという前提で、私がベトナムにおいてチームビルディングやマネジメントを行う際に気を付けた点や、ベトナム文化ならではの違いなどをお話しします。
わが社はベトナム法人の業務スタート後すぐに、コミュニケーションの問題にぶつかりました。言語の壁があって、意思疎通がスムーズにいかなかったのです。採用面接時と違い、業務上の込み入った話もありますので、より細かい説明と理解が日本人にもベトナム人にも求められました。
言葉の壁に対する解決法としては、日本語が話せる通訳兼マネジャー的な立ち位置の「ブリッジエンジニア」を置き、その配下にベトナム人エンジニアを付けてチームを作る手法が一般的です。日本人はブリッジエンジニアを通して、メンバーに指示を出します。
わが社は社内公用語を英語にしているので、日本語ができるベトナム人エンジニアはいません。私が全メンバーそれぞれと、英語で直接コミュニケーションを取っています。
ただし、日本人にとってもベトナム人にとっても英語は第2言語ですので、英会話だけでは完璧なコミュニケーションは取れません。そこで私は、会話以外にもさまざまな手段を使うようにしています。
例えば、プログラム実装上のデータの流れを確認する際は、ホワイトボードで色違いのマグネットを使って実際の動きを追って確認します。手段を複数持っていると、次第に意思疎通がスムーズになり、どんな場面や内容の際に、どんな手段を用いると効果的なのか、使い分けできるようになってきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.