ネットアップがOpenStackのファイル共有コンポーネント「Manila」の本番環境対応を発表マルチテナント環境の運用も効率化

ネットアップは共有ファイルサービス「OpenStack Manila」が、企業での本稼働環境に対応したと発表。マルチテナント環境や、大規模かつ高い処理性能が求められるデータ分析などのワークロードでも利用できるという。

» 2015年10月27日 19時10分 公開
[@IT]

 ネットアップは2015年10月27日、オープンソースのIaaS(Infrastructure as a Service)構築基盤ソフトウエア「OpenStack」のサブプロジェクトで共有ファイルサービス機能を提供するコンポーネント「Manila」が、企業での本稼働環境に対応したと発表した。今回の発表は、Manila開発プロジェクトが本番環境での動作と品質を保証するもので、プロジェクト参加企業も一定のサポートを保証するものと理解できる。ネットアップはManilaプロジェクトの創設者であり、OpenStack Foundationの創立メンバーでもある。

 Manilaを利用すると、共有ファイルシステムをサービスとして提供するためのアーキテクチャをセルフプロビジョニングによって簡単に構築でき、ファイルやディレクトリ単位でのアクセス権制御も容易になるという。加えて、Manila配下のデータはクラウド間で自由に移動できるので、マルチテナント環境でのストレージとして利用したり、テスト環境向けに共有ファイルサービスを利用したりできる。

Manilaが提供する機能イメージ コンピュートノードを制御するNova配下の仮想マシンインスタンスとの接続やファイル共有を制御する(ネットアップのWebページより)

 さらに、データベースサービスを提供するOpenStackの機能コンポーネント「Trove」と組み合わせることで、データベースの構築や運用を自動化することも可能。また、データ分析基盤機能を提供する機能コンポーネント「Sahara」と組み合わせることで、ノードから分散ファイルシステムまでの全体でアクセスを自動化できる。

 ManilaはOpenStackの最新リリースであるLibertyから利用可能になっている。その他のクラウド環境でもOpenStack標準のAPIを介してManilaをモジュールとして組み込んで利用できる。

 なお、Manilaのバックエンド環境では、ネットアップのclustered Data ONTAPだけでなく、EMCのVNXやレッドハットのGlusterFS、IBM IBMのGPFS(General Parallel File System)などにも対応する。

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