Windows系のITエンジニアのための産業用ドローン開発環境が登場。ドローンワークスは、Windows 10 IoTとMicrosoft Azureを組み合わせた新たなドローン開発プラットフォームを「IoT Technology 2015」で展示。
ドローン用フライトコントローラーの開発・販売と、ドローン用クラウドサービスを手がけるドローンワークスは、「Windows 10 IoT」と「Microsoft Azure」を組み合わせた新たなドローン開発プラットフォームを、2015年11月18〜20日にパシフィコ横浜で開催中の「IoT Technology 2015」で展示した。
ドローン制御の心臓部であるフライトコントローラーには「Windows 10 IoT Core」(後述)を採用。画像処理や機械学習などの機能は、「Windows 10 IoT Enterprise」(後述)が稼働するアプリケーションPCをドローンに搭載し、フライトコントローラーと連動させることで実装することができる。ドローンで収集したデータは、セキュアなデータ通信を通じて、Microsoft Azureと連携する。
今回展示されたドローン開発プラットフォームは、ドローン、アプリケーションPC、クラウドという三つの開発領域をマイクロソフトのIoTプラットフォームで統一した点がポイント。
これを利用することで、Windows系の開発者は、産業用途に向けたドローンのシステムを容易に開発できるようになる。従来、ドローンとクラウドと連携させるには、組み込み系のシステム開発と情報系のシステム開発という別々の開発スキームが必要であったため、ドローンシステム全体の開発が困難なものになっていた。
Windows 10 IoTはマイクロソフトが提供する組み込み機器向けのプラットフォームの総称。x86機をターゲットとしたEnterprise版、モバイルデバイス向けのMobile Enterprise版、よりフットプリントの小さいCore/Core Pro版がある。従来、組み込み機器向けのOSは「Windows Embedded」として提供されていたが、Windows 8以降、PCやサーバー版のWindows OSとのカーネル共通化などを進め、Windows 10では「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」として整備。単一のプログラムコードで、複数のターゲットデバイス向けのアプリケーションを構築できるようになっている(関連記事「特集:UWPとは何か」)。
また、Windows 10 IoTではRaspberry Piなどを利用したFab向けのチュートリアルやライブラリの提供も推進している。
Microsoft AzureではIoT向けに「Azure IoT Suite」を用意し、機械学習エンジン「Azure Machine Learning」やデータ分析向けの「Azure HDInsight」「Microsoft Power BI」などのサービスを提供している。
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