地方に移住を考えている人が気になるのは、「土地になじめるのか」というところではないでしょうか。地域特有のしきたりはあるのだろうか、隣近所とうまくやれなかったらどうしよう、などの地方特有の不安要素が頭をもたげてくるかもしれません。
2014年にNHKで、高知県の移住促進の取り組みを取り上げた番組が放送されました。そこでは、高知での生活を楽しんでいる人がいる一方、移住をやめて地元に戻る人がいると紹介していました。地元に戻る理由の一つは「何ごとにも干渉してくる」ことだったようです。
私の体感では、中心地に近いエリアではほとんどそうしたことはあ りません。中心地で暮らす分には、ご近所からの干渉はほぼ皆無と言ってよく、都市部での暮らしとの大きな違いはないと思います。
どんな暮らしを望んで高知に移住するのか、それによって居住候補エリアを選定し、下調べをしっかりと行えば、自分に合った暮らしを手に入れられると思います。
アフターファイブや休日を楽しめるか、が気になる人も多いでしょう。
高知県は言わずとしれた「飲酒量全国No.1」で、一人当たりの飲酒量が多いのも有名です。総務省統計局の調査では、1世帯当たりの飲酒代への年間支出金額(平成19〜21年平均)を都道府県庁所在市別にみると、高知市が「2万9811円」と最も多く、全国平均「1万7406円」の約1.7倍です。そんな高知県に飲みにいくところがないわけがありません!
高知には飲酒量全国No.1を象徴する数々のイベントが存在します。毎年3月に開催している「土佐のおきゃく」という大規模イベントもその筆頭です(おきゃく=宴会のこと)。高知市の中心地のアーケード街が丸ごと宴会場となって、見知らぬ人ともお酒を飲みかわし打ち解けていきます。高知の人は、さまざまな人が集う交流の材料としてお酒を楽しんでいると言えます。
高知で車社会なので、飲みにいった帰りは運転代行を利用することもあります。
休日の過ごし方は人によってさまざまですね。高知だったら、飲みに行くも良し、山に行くも良し、川で釣りも良し、イベントやITの勉強会へ出向くも良し、選択肢がたくさんあります。一例として、同僚のエンジニアの休日を紹介しましょう。
同僚のK君は、2015年の秋から農作業を始め、無農薬で約10種類の野菜を栽培しています。しかし、葉をアオムシ(蝶の幼虫)に食べられて腹立たしい思いをすることが度々あったそうです。
穴が空いている葉っぱにはアオムシがいる可能性が大なのですが、いざ見つけようと必死に探しても、葉っぱも青虫も緑色なので見つけづらい。そこで、スマートグラスのカメラで青虫を検知する「青虫チェッカー」を独自に開発する! と、K君は意気込んでいます。
「テクノロジで農業の最適化/効率化を図る」なんて、エンジニアらしいではないですか。近い将来、農家のおんちゃん・おばちゃんたちが、タブレット片手にK君作の青虫チェッカーを使う、そんな光景を目にすることもあるかもしれませんね。
ITエンジニア U&Iターンの理想と現実、「生活」にフィーチャーした第2弾はいかがでしたか? 次回は、実際に高知へ移住を果たしたエンジニアが体感した「地方エンジニアのメリット&デメリット」を、さまざまな視点から紹介します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.