都会から地方にU/IターンしたIT関係者が地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えていく本連載。まずは高知にUターンしたはちきん娘(土佐弁で男勝りでハツラツとした女性)が高知編をお届けする。高知をはじめたとした地方への移住を検討するエンジニアの参考になれば幸いだ。
ここ数年、Uターン/Iターンを誘致する地方が増えている。しかし、実際に移住する人の数はまだ少なく「成功」といえる地域は決して多くはない。なぜ、都会の生活者は地方移住に二の足を踏むのだろうか。@ITはその理由の一つに「情報の少なさ」があると考えた。
本連載「ITエンジニア U&Iターンの理想と現実」は、東京から地方にU/IターンしたIT関係者が地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えていく。まずは、今回から数回に分けて、高知にUターンしたはちきん娘(土佐弁で男勝りでハツラツとした女性)が高知編をお届け。高知をはじめたとした地方への移住を検討するエンジニアの参考になれば幸いだ。
はじめまして。Nextremer 高知オフィスの村上八恵です。
経済の都市部一極集中化の問題が叫ばれて久しいですね。国も地方自治体も地方経済の活性化を主軸に掲げ、多種多様な取り組みをしていますが、さまざまな要因が重なり、地方の人口は減る一方です。
総務省が2015年9月1日に発表した住民基本台帳に基づく人口調査によると、「2015年1月1日現在の日本人の総人口は、前年同期より27万1058人少ない1億2616万3576人」で、「平成21年をピークに6年連続で減少」しています。
「東京都(+7万2516人)」「神奈川県(+1万659人)」「埼玉県(+9561人)」といった都市部の人口が増える一方、「北海道(−3万2323人)」「新潟県(−1万7595人)」「兵庫県(−1万7207人)」と、地方の人口は減り続けています。
人口増加率を見ると、トップ3が「東京都(+0.57%」」「沖縄県(+0.32%)」「埼玉県(+0.13%)」、ワースト3が「秋田県(−1.27%)」「青森県(−1.07%)」「高知県(−0.97%)」です。
そんな中、内閣府が行った「人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」によると、「現在都市部に住んでいて、今後地方に移住してもよいと答えた人の割合は39.7%」、若い世代に限ると、「20代(52.3%)」「30代(57.6%)」「40代(51.2%)」と過半数を占めることが分かりました。
とはいえ、もしあなたが「地方に住みたい!」と急に家族に申し出ても、そう簡単に稟議はおりないでしょう。インターネットで目にする地方移住に関する記事は必ずしも良いことばかりではありません。「仕事がない」「家族が地域に馴染めず結局、都会に戻っていった」という話も珍しくありません。
そこで本連載では、前述の人口調査で「人口減少率ワースト3」の冠をもらった高知県へUターンした私、村上八恵が、高知生活の実情や具体的な所感をセキララに伝えていきます。地方移住はネット情報で見るように難しいものなのか、それとも想像するほど大きな障壁はないものなのか……地方移住に興味を持っているけれど、二の足を踏んでいるエンジニア、そしてその家族の皆さんが、今後のライフスタイルを考えるきっかけ、参考になればうれしい限りです。
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