アプリケーションの設定を変更したり、特定の機能を利用したりするために、クライアントコンピュータのレジストリの変更が必要になる場合がある。レジストリを変更するコマンドとしては「reg」があるが、そうしたコマンドを使わなくても、グループポリシーの「基本設定」でもレジストリを操作することができる。
ここから「基本設定」を用いたレジストリの変更方法を紹介するが、コンピュータのレジストリは「人間にとっての神経のようなもの」なので、構成の際には注意してほしい。実際に操作する前には、バックアップや十分な検証を行っておくことをお勧めする。
レジストリの操作も、ここまで紹介してきた「基本設定」項目とほとんど同じだ。レジストリを操作するには、「レジストリ」の項目を右クリックして「新規作成」→「レジストリ項目」を選択する。すると、「新しいレジストリのプロパティ」画面が表示される(画面4)。レジストリ特有の項目として「ハイブ」欄と「キーのパス」欄があるので、ここで操作するレジストリのパスを指定する。
「キーのパス」欄には「...」(参照ボタン)があるが、ここを参照するとグループポリシーを編集しているコンピュータ(通常は、ドメインコントローラー)のレジストリキーのツリーが表示される。存在しないキーの配下に追加する場合には、「キーのパス」欄に直接入力する。そして、追加する「値の名前」「値の種類」「値のデータ」をそれぞれ指定する。
以上の設定が完了したら、クライアントコンピュータにGPOを適用する。適用結果を確認するために、クライアントコンピュータで「レジストリエディター」を開くと、指定した位置にキーと値が追加されていることが分かる。
このように、レジストリも「基本設定」から簡単に構成することが可能だ。ただし、ファイルやフォルダーと同じように、レジストリもアクセス許可によって制御されている。そのため、レジストリのハイブやキーの位置によっては制御できない場所もあるので注意してほしい。
前回に引き続き、今回もグループポリシーの「基本設定」を紹介した。現状、ログオンスクリプトで上記のようなことを実現しているのであれば、「基本設定」で置き換えられないかを検討していただければと思う。まだまだ紹介できていない項目もあるが、「基本設定」はどの項目も同じような画面構成になっているので、今回紹介できなかった項目はご自分で確認してみてほしい。
株式会社ソフィアネットワークに所属。2009年よりマイクロソフト認定トレーナーとして、Windowsを中心としたサーバおよびクライアント管理、仮想化技術に関するトレーニングを提供している。無類の猫好き。共同執筆者である国井家で飼われている猫に夢中。
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