「3月1日 0時00分が勝負」って本当?――「就活ナビサイト」使い倒しマニュアル<後編>就活のトリセツ(5)(1/3 ページ)

IT業界への就職を考えている学生のために就活のイロハを伝授する連載「就活のトリセツ」。第5章は前回に引き続き「就活ナビサイト」を解説する。「解禁日の0時00分にサイトにアクセスしないと出遅れる」というウワサは本当なのか?

» 2016年02月25日 05時00分 公開
[中村昭典@IT]
就活のトリセツ

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 就活を始めるに当たって知っておきたい基礎知識やIT業界特有の事情や実体などを「親子就活」の筆者が手取り足取りゆるふわに解説する「就活のトリセツ」。前回は就職先を探す際に使用する「就活ナビサイト」の活用方法を説明した。今回は、就活ナビサイトに関するある「都市伝説」の真偽を解説する。


 2017年卒業予定者の「就活解禁日」は2016年3月1日だ。

 早いもので、本連載「就活のトリセツ」も今回で5回目。連載スタート時は「解禁日なんてまだ先だ」と思っていたが、あっという間に直前になった。いや、解禁日を過ぎたタイミングでこの記事を目にしている就活生もいるかもしれない。

 ここ数年、就活ナビサイトは「採用予定情報の公開」や「採用イベントの受付」などの情報を、解禁日に一斉に更新するのが恒例となっている。そのため、多くの就活生が解禁日に就活ナビサイトにアクセスし、負荷が掛かり過ぎたサーバが一時的にダウンするという現象が起きている。

 今回はまず、3年前の解禁日に発生した小さな「事件」を紹介しよう。

「解禁日」にまつわる都市伝説

 この年の解禁日だった2012年12月1日の深夜0:00のこと。

 就活生だった筆者の娘が疲れた表情でため息をついていた。代表的な就活ナビサイトの一つ「リクナビ」にアクセスしようとしたが、つながらなかったのだ。

この前、学校でイヤなうわさを聞いたの。とにかく初日の0:00が勝負だっていうのよ。

解禁日にはみんなが就活ナビサイトにアクセスするでしょ。だから、人気企業はすぐに会社訪問予約がいっぱいになってしまうらしいの。

ちょっとでも気になる会社には初日にエントリしておかないと、枠が埋まるって。でもつながんないの、もう!

 そこまで「盛った」話が飛び交っているのか、と筆者は心配になった。不安を抱える就活生が就活ナビサイトに押し寄せる。その結果、サーバがダウンする。すると、就活生がより焦る……。

筆者が呼び掛けたツイート。キャプチャーは最近取ったものでReTweetは1291だが、2012年当時は1500近くあったと記憶している

 「これは、イカンなぁ」と思った筆者は、Twitterで呼び掛けてみた。すると、みるみるツイートが拡散していった。

 解禁日に説明会の告知がスタートするのは事実だし、人気企業の定員が早い時期に埋まるのもあり得る話だ。特に今年度は、就活ルールが変更して短期決戦なので、企業が説明会を早めに設定するとのウワサもある。だから「できるだけ早く活動を開始する方がベター」というのは間違いない。

 だが最近では、定員が埋まっても、説明会を追加設定する企業が増えている。また、大半の企業は、3月初旬から半ばにかけて開催する合同説明会に参加し、そこで自社の説明会の受付をしている。

 つまり、3月1日に予約しないと席が埋まってしまうというのは、さすがに盛り過ぎな話だ。それにもかかわらず、就活生はつながらないサイトを前に不安を募らせている。

 みんな、安心してほしい。世間はそこまで冷たくない。

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