「3月1日 0時00分が勝負」って本当?――「就活ナビサイト」使い倒しマニュアル<後編>就活のトリセツ(5)(2/3 ページ)

» 2016年02月25日 05時00分 公開
[中村昭典@IT]

真面目な人ほど罹患(りかん)しやすい「疑似就活症状」

 最近の就活生は、24時間就活ナビサイトにアクセスし続けているようだ。

 就活ナビサイトは、就活の進捗(しんちょく)状況を一覧で管理できる、とっても便利なツールだ。だから、自宅はもちろん、電車の中でも講義中でも、スマホやPCで一日に何度もアクセスを繰り返している人も珍しくない。

 こうした就活生を見ていると、「中毒症状」ではないかと感じることがある。いったん中毒にかかると、いろいろなキケンな症状が現れる。

 まず、とにかくスマホから目が離せなくなってしまう「禁断症状」。食事をしていても風呂に入っていても、新しい連絡が入っているのではと気になって仕方がない。これでは何をやっても集中できなくなってしまう。

 それ以上に怖いのが、頻繁に就活ナビサイトへアクセスすることで、就活が進んでいると錯覚してしまう「疑似就活症状」だ。

 日々検索を繰り返し、新しい企業情報に触れて、気になる企業を発見する。さらに、また「みん就」などの就活掲示板サイトで就活体験記を読んだり書き込んだりする。これを繰り返しているうちに、実際は何もしていないのに疑似体験感が満たされ、就活が進んだ気になっている就活生がいる。この症状は、マジメな人や、日ごろからITツールを使いこなしている人ほど発生しやすいから、タチが悪い。

 この中毒症状は、本人の自覚がないのが特徴だ。実際に企業を見たり社員の話を聞いたりすること、選考を受けてみることに勝る就活はない。そう分かっている人でも、「やめられない、とまらない」になってしまうのだ。

インターネットを見ている「だけ」では、何もしていないのと同じだ

就活ナビサイトとはひと味違う情報源を

 ちょっと重たい話が続いてしまったので、流れを変えていこう。

 「今やほとんどの就活生が就活ナビサイトを活用している」ということは、「誰もが同じ情報を見ている」ということだ。そこで「自分だけの情報源を持ちたい」と希望する就活生に筆者が紹介したいサイトがある。

数年後の自分をイメージできる「転職情報サイト」

 一つ目は、中途採用向けの「転職情報サイト」だ。

 企業の多くは、新卒採用と同じく、中途採用もインターネットの転職情報サイトで行っている。転職情報サイトには「求人情報」はもちろんのこと、新卒者が「数年後の働く姿をリアルにイメージできる情報」が豊富に提供されているケースが多い。新卒者がすぐに同じ仕事ができるわけではないが、将来を垣間見られる価値は高い。

 裏技を一つ伝授しよう。

 転職情報サイトにしか求人情報を掲載していない企業に問い合わせをしてみると、「新卒者も受け入れる」という企業が見つかることがあるのだ。特に年度区切りとなる春時期は、転職情報サイトでも「新卒者も歓迎」という特集が組まれることがある。

 実際、転職者を募集している企業は、新卒者も同時に募集していることが結構多い。「だったら就活情報サイトにも情報を出してよ」と言いたい気持ちも分かるが、ナビサイトに求人情報を掲載するのは、費用が掛かるのだ。

 転職情報サイトは、就活ナビサイトよりも、情報の流れが早い。「会社訪問は個別に対応」や「面接は随時受付」といった企業も多い。就活ナビサイトだけを見てきた就活生は少し面食らうかもしれないが、ひと味違う情報源としての価値は高い。

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