IT系の資格は何を持っていたらいいの? SPIは対策はいらないって本当?――IT業界に就職したい、エンジニアになりたい、そんな就活生の素朴な疑問にお答えします。
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就活を始めるに当たって知っておきたい基礎知識やIT業界特有の事情や実体などを「親子就活」の筆者が手取り足取りゆるふわに解説する「就活のトリセツ」。前回は、就職先を探す指標の1つ「やりたいこと」を解説した。
今回のテーマは「IT業界就活の超基本」。エンジニアとして就職するには資格を持っていないといけないのか? SPI対策は必要なのか? 基本過ぎてどこにも書いていない、誰にも聞けない「アレ」や「コレ」を分かりやすく解説しよう。
ITエンジニアの仕事は、幅も広いし奥も深い。領域やレベルによって必要な知識もスキルも異なる。さらに、技術の進化は超高速。知識のアップデートはどの業界よりも必要だ。そう、ITの世界なら5年前は太古の昔なのだ。だったら恥ずかしがらずに聞いちゃおう。
IT業界への就職って、今、どんな感じなんすか?
ITエンジニアを目指す人は、どんな能力(知識やスキル)を身に付ければよいのだろうか?
コレ、実はとっても難しい質問だ。なぜならITエンジニアは、領域やレベルによって求められる能力が異なるからだ。あえて体系的に捉えると、表1のようになる。左がIT企業(システム開発、パッケージ開発など)、右がユーザー企業(ITを「使う」側の非IT企業)がIT人材に求める技術力だ。
IT企業、ユーザー企業、いずれも1位はテクニカル能力ではなく、「顧客(業務)分析力、企画力」だと答えている。これは、業種業界を問わずどこでも必要とされる能力といえるだろう。さらに、IT企業では「PM手法」、ユーザー企業では「情報セキュリティ技術」を求める数が多い。
「PM」とはProject Management(プロジェクト マネジメント)の略だ。IT開発案件の多くはプロジェクト単位で進める。PMとは、プロジェクトを適切に管理運営する能力のことだ。ITエンジニアは、専門知識だけでなく、多様な専門家が集まるチームをまとめるチカラも必要ということだ。
この他、IT企業、ユーザー企業いずれも、「問題解決力」や「積極性・自発性」などのヒューマンスキルを求めている。要は専門性も大事だが、基本的な人間力を求めているのはどの業界も同じ、ということだろう。これらの結果を踏まえ、とっても乱暴にまとめると、冒頭の質問への筆者の答えは「ITにはいろいろな領域があって、それぞれに専門性が必要だが、どんな能力が必要なのか就職直前に気にし過ぎても仕方ない」ということだ。
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