Xamarin.Formsアプリ探検隊特集:Xamarin.Formsを知る(1/2 ページ)

実際のところ、Xamarin.Formsって使えるものなのか。Google PlayやGitHubから入手できるアプリを実際に使用/ビルドしてみよう。

» 2016年08月29日 05時00分 公開
[かわさきしんじInsider.NET編集部]
「特集:Xamarin.Formsを知る」のインデックス

連載目次

 XamarinおよびXamarin.Formsは、コードを共有することで、複数プラットフォームで動作するモバイルアプリの開発を容易にしてくれるフレームワークだ。特に.NET開発者にとっては、iOS/Androidアプリ開発にそれほど詳しくなくとも、これまでの.NETに関する知識とC#とXAMLで基本的な部分が何とかなりそうなXamarin.Formsは魅力的な選択肢だ。

 とはいえ、「実際のところ、どうよ?」とXamarin.Formsの世界に飛び込むことをちゅうちょしている方もいるのではないだろうか。そこで、今回は「Xamarin.Formsアプリ探検隊」と称して、実際に入手して動作を確認したり、ソースコードを参照して「どこがどうなっているのか」を確認したりできるアプリを幾つか紹介していこう(ただし、入手可能なXamarin.Formsアプリについては筆者の都合により、今回はGoogle Playから入手可能なアプリを取り上げる*1)。

*1 MacBookに接続して始めたiOSアップデート中の再起動で、MacBookではなくその上で動いていたWindows仮想マシンに接続してしまい、「あわわっ。どーすりゃいいんだ」状態となり、最悪の選択をした結果、文鎮化したiPod touchならあるのだが……(ドジっ子ではなく、ドジなおっさんなというだけなので救いようがない)。


Google Playで入手可能なXamarin.Formsアプリ

 Xamarin.Formsアプリの実際の動作を確認するには、Google Playなどのストアで配布されているものをインストールして動かしてみるのが手っ取り早い。そこで、まずはWebやTwitterなどを検索して、Xamarin.Formsを使用して作られていると確認できたアプリを紹介していこう。なお、ソースコードが入手できるもの、関連情報を含んだWebページがあるものについてはそれらのURLも記載してある。実際の使い勝手がどうかについては、読者の皆さんの判断にお任せする(インストール可能なものについては、筆者の手元のデバイスにインストールして使ってみたが、特に問題はなく、スムーズに動作した)。

IT勉強会検索

 日本における「Xamarinの人」といってもよいかもしれないエクセルソフトの田淵氏が作成したXamarin.Formsアプリ。その名の通り、直近に開催されるIT勉強会を地域ごとに一覧できる。もともとは「おでコン」という非公式なWindows Phoneアプリコンテスト用に作成したものとのことだが、Xamarin.Formsで作成していたのでAndroid版もリリースされている。

IT勉強会検索 IT勉強会検索

Sakenomy

作者: 株式会社エムティーアイ
Google Play: Sakenomy - 日本酒を学んで自分好みを探す
関連URL:事例紹介 Sakenomy


 Sakenomyはエクセルソフトの事例紹介でも紹介されているアプリだ。自分が飲んだ日本酒を記録したり、日本酒のさまざまな銘柄を検索したり、SNS的な機能を利用したりしながら、楽しみながら日本酒への理解を深めていける。

Sakenomy Sakenomy

 事例紹介ページによれば、iOS/Androidでソースコードの80%ほどが共有でき、Web APIもC#で開発することにより、C#+.NET Frameworkの組み合わせで開発が行えたとのことだ。Xamarin.Formsでのアプリ開発の理想形といえるだろう。

坂道46コレクション

 キクタロー氏のブログ記事によれば、フロントエンドはXamarin.Formsを用いて作成して、バックエンドにはJava EEで作成したRESTful APIを使用しているとのことだ。このアプリとサーバサイドの両者のソースコードを見ていくことで、Web APIに対して呼び出しを行うアプリがどんな構成になるかの参考になるはずだ。

坂道46コレクション 坂道46コレクション
キクタロー氏のリポジトリからソースコードをダウンロードして、いろいろと何かをしてからビルドし、Visual Studio Emulator for Androidで実行したもの。

AEDオープンデータ検索

 こちらは初音玲氏が作成した「AEDオープンデータプラットフォーム」を利用して、近隣にあるAEDをマップ上に表示するという実践的なアプリだ。

AEDオープンデータ検索 AEDオープンデータ検索
本文でも述べたように筆者のデバイスではアプリを実際に実行できなかったため、上記リポジトリからソースコードをビルドして、iPhone Simulatorで動作させたもの(シミュレーターでの動作のためか、うまく検索できていないようだ)。

 ただし、筆者が所持しているAndroidタブレットではバージョンが古過ぎて、実機での実行はできていない(Android 5.0以上をサポート)。

 次ページでは、GitHubで公開されているXamarin.Formsアプリのリポジトリを幾つか見てみよう。

その他の事例

 Xamarin.Formsに限らず、Xamarinを使用した開発事例についてはエクセルソフト田淵氏のブログにある事例紹介カテゴリで紹介されている(最終更新は2016年1月)。興味のある方はこちらもぜひ参照されたい。

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