新潟編:最大200万円の住宅取得補助も――妙高市役所の木浦笙子さんに聞く、U&Iターンへの行政支援ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(11)(3/3 ページ)

» 2016年09月09日 05時00分 公開
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生活や子育て

妙高市で配布している冊子

竹内 家族で移住する場合、外に仕事がある側は新しい出会いがあるので少しずつ生活にも慣れていくと思います。

 けれどもパートナーは、周りとの付き合いがなく、1人孤独に家の中で引きこもってしまうことがあるかもしれません。私の奥さんが以前、そんな感じでした。

木浦さん ……そうですね。

竹内 初めての環境で突発的なことが起こると、どうしたらいいのか分からず不安になることってあると思うんです。例えば、子どもが急に熱を出したとか。そんなときに「困ったらまずここへ!」みたいなものはありますか?

木浦さん 妙高市の子育て支援は充実していますし、困ることがないように、また困ったときに助けを求められるように、いろいろな「冊子」をお渡ししています。さまざまな「手続き」や「連絡先」が載っているので、まずはそこに連絡してください。

竹内 相談窓口が分かっていると、心強いですね。

移住を考えているエンジニアへ

竹内 最後に、移住を検討しているエンジニアに、メッセージをお願いします。

木浦さん 首都圏に比べたら、利便性は落ちますし、不便に感じることもあるかもしれませんが、妙高にはそれに負けないぐらいの自然や良い空気があります。

 私が子どものころは、街に賑わいがありました。その賑わいを取り戻せたらいいなと思うのです。妙高の人はみんな優しいので、どんな人でもなじめるんじゃないかと思います。

 移住するなら、自分を「よそ者」だと思わずに、積極的に関わってほしい……と思います。そうしていくことで、自然と地域になじめます。地域に親しんでくださる方が移住していただけたらうれしいです。

 北陸新幹線が開業して、首都圏からサクッと来れるようになりました。ぜひ、妙高に足を運んでください。

竹内 ありがとうございました。

「リアル」をいかに楽しむか

 木浦さんのお話で印象的だったのは、「移住をかなり『きれいなもの』として描いているようだ」という言葉でした。

 テレビで見る移住は良いところだけ取り上げられているし、インターネットの情報もそういう傾向になりがちです。

 けれども実際の移住は、「きれいなもの」だけではないし、それぞれの環境での「リアル」があります。その「リアル」をいかに楽しめるか……が、移住成功のポイントなのかなと思います。

 「イメージ」と「リアル」のギャップを埋めてくれるのが行政機関です。もし「U&Iターンしてみようかな」と思ったら、行政機関に相談するのもよい方法です。

 「U&Iターンの理想と現実:新潟編」、次回は私がUターンしたときの経緯や、Uターンを決めてから実際に移住するまでに抱いた不安、Uターンしてからどうやって地域になじんだのか、現在に至るまでの「リアル」をセキララにお話しします。

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筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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