新潟に移住したら、行政はサポートしてくれるの?――U&Iターンの理想と現実をお届けする本連載。新潟編第2回は「移住を支援する行政担当者」にインタビューしました。
「@IT式 U&Iターンスタイル」は、全国各地のU&Iターンエンジニアたちが、地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えていく。ご当地ライターたちのリアルな情報は、U&Iターンに興味のある方々の役に立つだろう。
こんにちは。「しごとのみらい」の竹内義晴です。
新潟のU&Iターン事情をお届けする本連載、第1回「エンジニアで飯が食えるか?――統計で見る新潟の給与、残業時間、求人数」は、新潟の全体像やエンジニアの仕事事情を紹介しました。
この記事を読んで、「地方で働いてみるのも、悪くないかな」と思い始めている人もいるかもしれません。一方、いざ「移住!」となると、いろいろな不安が出てくる人もいるでしょう。そんなときに心強い味方となるのが、行政機関です。
そこで今回は、新潟県妙高市にある妙高市役所のご担当者に、行政機関の移住者支援について根掘り葉掘り聞いてきました。
今回お話を伺ったのは、妙高市役所 建築課 建築住宅係で移住を担当している、笑顔がステキな木浦笙子さん(以下、木浦さん)です。
竹内 今日はよろしくお願いいたします。読者の皆さんに、妙高市を紹介していただけますか?
木浦さん 妙高市は長野県との県境、新潟県の南西部に位置する、自然が豊かで1年を通じて温泉やスキーなどを楽しめる観光地です。
竹内 移住が担当とは、具体的にはどのようなことをされているのですか?
木浦さん 移住に関する窓口全般を担当しています。移住の不安は、「住宅」「子育て」「就職」「医療」「介護」など、いろいろあります。2016年の6月からは「移住のコンシェルジュ」を市役所内に設けて、窓口を充実させています。
竹内 移住を積極的に進めたいとお考えなのですね。課題はありますか?
木浦さん 現在の課題は「移住までつながらないこと」です。年に数回、首都圏で相談会を開催しており、移住を希望される方からのお問い合わせは年々増えています。平成27年は160件近くありました。けれども、そこから実際に移住する方はまだ少ないのです。
竹内 なぜ、移住につながらないのでしょう?
木浦さん ひと言でいえば、「憧れと現実のギャップ」でしょうか。移住を希望される方は、「田舎暮らしがしたい」「農業をしたい」「田舎できれいな家に住みたい」など、いろいろな憧れを抱いています。移住をかなり「きれいなもの」として描いているようです。けれども、現実は……見学した家はイメージと違うし、スーパーは車でちょっと走ればあると思っていたのに、実際は結構遠いし……。
竹内 (笑)
木浦さん また、妙高市は雪が多いところです。都会からみた雪国のイメージは「雪がチラチラ降ってキレイ」だと思うのですが、実際は……。
竹内 2〜3メートル積もりますものね。
木浦さん そうなんです。「誰が雪かきするの?」という質問に……。
竹内 「あなたです」と(笑)。
木浦さん ええ(笑)。それで、「ちょっと考えます」となってしまうケースが多いのです。
竹内 それでも、実際に移住された方もいますよね。その方は何とおっしゃっていますか?
木浦さん 「山菜がこんなに採れていいの? こんなにスゴいことを誰も知らないなんて」とよく言われます。
竹内 都会では山菜は貴重品ですし、道端に生えているものは食べませんもんね。妙高の人は春になると、「早く山菜を食べたい」とウズウズします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.