Get Windows 10(GWX)アプリは、最初から適切に対処していれば悩まされずに済んだはずでした。しかし、理由があってWindows 10にアップグレードしないことを決めた人、Windows 10にアップグレードできない人の一部は、GWXアプリとの闘いを続けていました。
その長きにわたる闘いも、Windows 10の無料アップグレード期限である「2016年7月29日」をもって終了しました。GWXアプリがその役目を終えたからです。
GWXアプリは活動を停止しましたが、GWXアプリの本体はその後もシステムに居残り続けていました。GWXアプリが完全に消えたのは、2016年9月にリリースされた更新プログラムによってでした。
2016年8月2日、Windows 10に対する2回目の機能更新プログラム(機能アップグレード)である「Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)」の提供が開始され、Windows Updateを通じて配布されました。Windows 10ユーザーであれば、Windows Updateによる配布を待たずとも、手動で更新することが可能です。
2016年8月は、Current Branch(CB)向けのリリースでした。Current Branch for Business(CBB)向けのWindows 10 Anniversary Updateの提供は、2016年11月末に始まったばかりです。
Windows 10の品質を疑問視している人が多いと思いますが(筆者もその一人です……)、CBBを選択することで、より安定したビルドになってから利用を開始することができると期待できます(※しかし、実際には、12月初めにWindows 10 Anniversary UpdateのCBBへの提供直後に更新プログラムが原因で一部のPCでネットワーク接続が失われるという問題が発生しています。この問題は12月中ごろの別の更新プログラムで解消済みですが、CBBは安定版というよりも、単にスケジュールの話なのではという印象を受けます)。
ポリシー設定により、さらに導入を延期することも可能です。ちなみに、Windows 10 Anniversary UpdateのCBは「バージョン14393.0」から、CBBは「バージョン14393.447」からスタートしました。ただし、CBBは企業向けの機能であり、Windows 10 Homeエディションでは利用できません。
2016年9月26日、「Windows Server 2016」が正式に発表され、Windows Server 2016評価版の提供が始まりました。最初のプレビュー版である「Windows Server Technical Preview」の提供開始が2014年10月1日、その後、Technical Preview 2〜5を経て、ようやく正式リリースとなりました。
Windows Server 2016は、開発やリリーススタイルが以前のWindows/Windows Serverとは異なるため、実は、いつ完成したのかはっきりしません。マイクロソフトの公式ドキュメント内の記述から筆者が想像したのは、RTM(製造工程向けリリース)はWindows 10 Anniversary Updateと同じ8月初めの「ビルド14393.0」で、正式リリースであるGA(General Availability)は評価版提供開始時の「ビルド14393.206(14393.0+KB3192366)」のようです。
一般提供開始は2016年10月12日からで、その時点のビルドは「14393.321(14393.0+KB3194798)」でした。それ以前に評価版以外の提供は、MSDN(Microsoft Developer Network)サブスクリプションやボリュームライセンスを含め一切なかったわけですから、「ビルド14393.321」が事実上のGAと考えてもよいかもしれません。
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