本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「apropos」コマンドです。
本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、コマンドをキーワードから検索する「apropos」コマンドです。
「apropos」は、キーワードを指定し、それに関連するコマンドを検索するためのコマンドです。「apropos キーワード」を実行すると、キーワードに関連するコマンドと簡単な説明が表示されます。
aproposコマンドの主なオプションは次の通りです。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-C | --config-file=設定ファイル | 設定ファイルを指定する |
-M パス | --manpath=パス | 「man」ファイルの検索パスを指定する |
-L ロケール | --locale=ロケール | 検索時の言語を指定する(通常は環境変数LANGに従う) |
-r | --regex | 検索に正規表現を使用する |
-w | --wildcard | 検索にワイルドカード(「*」など)を使用する |
-l | --long | 検索結果を表示する際、端末の幅より長い部分も省略せず折り返して表示する |
-s リスト | --sections=リスト | 検索対象の章番号を指定する(本連載第87回参照) |
-d | --debug | デバッグ情報を表示する |
-v | --verbose | 警告メッセージを詳しく表示する |
「apropos キーワード」を実行すると、キーワードに関連するコマンドと簡単な説明が表示されます。これは「man」コマンドの「-k」オプションと同じ動作で、コマンド名の一部や概要文からも検索することができます。
表示される検索結果の内容は、前回紹介した「whatis」コマンドと同様、manコマンドで表示されるコマンドレファレンスの「名前(NAME)」部分に表示されているコマンド名と1行説明になります。
apropos キーワード
(コマンドを探す、「man -k キーワード」に相当)(画面1)
aproposコマンドは「man -k」、whatisコマンドは「man -f」に相当し、どちらも「whatisデータベース」(本連載第88回参照)を使ってコマンドを検索します。
表示される内容は、コマンドレァレンスの「名前(NAME)」部分にある“コマンド名”と“概要”と呼ばれる1行説明になります。
whatisコマンドは「コマンド名(部分も含む)」を対象に検索しますが、aproposコマンドは概要部分も含めて検索します。また、単語の一部でもヒットするので、whatisコマンドのように「-w」や「-r」オプションを使用しなくても、「apropos キーワード」で“キーワードを含む”という検索になります。
aproposコマンドは、デフォルトで正規表現を使用した検索が可能です。例えば、「passwdで終わる単語」であれば、単語の区切りを意味する「\b」を使い、「passwd\b」のように指定します。
なお、aproposコマンドやwhatisコマンドの表示結果は1行でまとまっていますが、データベースの登録内容としては「コマンド名で1行」「概要で1行」となっているようです。従って、「\b」の代わりに、行末を表す「$」を使って「passwd$」のように指定すると、名前または概要部分が「passwd」で終わっているコマンドがヒットします。
apropos "passwd\b"
(コマンド名と概要に「passwdで終わる単語を含む」ものを検索する)(画面2)
apropos "passwd$"
(コマンド名または概要が「passwdで終わっている」ものを検索する)(画面3)
PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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