悔しさや怒りの感情が持つエネルギーは、かなり強力。そのエネルギーを、物事を前に進める原動力に変えられたら良いと思いませんか?
本連載は、書籍「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。」(竹内義晴著、すばる舎)を基に、出版社の許可を得て、筆者自身が@IT読者向けに再構成したものです。
「あなたにはスキルがない」。
私がSEだったころ、A氏から言われて、すごく頭に来た言葉です。もし、A氏が優れたエンジニアだったら、「まぁ、仕方がないな」と諦めも付いたのでしょうが、彼はプログラムを組めない管理職でした。
一緒にシステム開発をしていた仲間や顧客からは評価されていましたし、技術力にも自信がありました。それだけに、A氏の言葉を聞いたときは、もう悔しくて悔しくて。トイレに行って泣きましたよ。そして、悔しさはだんだん怒りに変わり、思ったんです。「あの野郎、今に見てろよ!」と。
あなたは強い怒りの感情を抱いたことはありませんか? 机を「ドン!」とたたいて大声で怒鳴ったり、モノを投げつけて壊したりした経験もあるかもしれません。いや、それができればいい方です。立場的に、態度にはあからさまに出せず、グッと飲み込んだ経験の方が多いかもしれません。
あの、悔しさや怒りの感情が持つエネルギーは、かなり強力ですよね。
ネガティブな感情が持つエネルギーは、外に出すと破壊的に作用したり、内に溜めると精神的に落ちたりするので、あまり好ましくありません。しかし、もしこのエネルギーを、物事を前に進める原動力に変えられたら、良いと思いませんか?
本連載ではこれまで、仕事で生じるさまざまな感情をコントロールするすべを、「概論」「1 気付く」「2 受け入れる」「3 鎮める」「4 切り替える」というステップで見てきました。
最終回となる今回は、感情を「5 活かす」方法を考えます。
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